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若手研究者紹介:高橋 綱己 准教授

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応用化学専攻 柳田研究室 高橋 綱己 准教授

 

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【経歴】

2013年3月 東京工業大学 大学院理工学研究科電子物理工学専攻 博士課程 修了 博士(工学)
2013年4月 日本学術振興会 特別研究員(PD)
2014年4月 慶應義塾大学 理工学部電子工学科 助教
2017年1月 九州大学 先導物質化学研究所 特任助教
2018年4月 九州大学 先導物質化学研究所 特任准教授
2020年4月 東京大学 大学院工学系研究科応用化学専攻 特任准教授、科学技術振興機構 さきがけ研究員
2023年4月 東京大学 大学院工学系研究科応用化学専攻 准教授

 

【研究について】

自動運転や音声認識をはじめとして、センサで取得した実空間のデータ活用による価値の創出が近年加速度的に発展しています。しかしながら、現状のデータ活用は光や音等の物理量に基づくものが中心であり、環境中に存在する分子の種類や濃度、その経時変化で表される化学情報の活用は進んでいません。その主な理由は化学情報の本質的な複雑さにあります。例えばヒトの呼気は疾病罹患等の健康状態に関する情報を含んでいることが知られていますが、含まれている分子種は数百種類以上におよび、食事や運動によっても大きく変動します。このように変動や外乱の大きい分子群を長期間安定的に測定でき、小型機器に搭載できるようなセンサ技術はこれまで実現されていませんでした。
私たちは、化学的・熱的に安定であり、分子との反応によって電子状態が変化する金属酸化物半導体を用いた分子センサ材料・デバイスの研究を通して分子群の電気的な識別に取り組んでいます。これまで培ってきた堅牢な材料設計技術、分子センサの高密度集積化と駆動技術等を融合し、生体ガスや食品揮発分子群、環境中分子の識別がモバイル機器で可能になるような基盤技術の創成に挑戦しています。

 


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【今後の抱負】

これまでに開発してきたセンサ技術を基に、疾病罹患者の生体ガスや食品から揮発するガス分子群といった実際の系を対象とした研究に展開します。ヘルスケアやフードロスの削減など、幅広い社会課題の解決につながるような基盤技術創成に貢献していきたいと考えています。

 

【URL】

柳田研究室:http://yanagida-lab.weebly.com/