運営にあたっての基本方針
工学は、探求して得た知を活かし、夢を描き、地球と人類社会にとってより良い未来をつくります。私たちは、サステナビリティを第一に考え、グローバルコモンズを守り育てるとともに、限りある地球資源を大切にし、環境に負荷を与えない社会への変革を先導します。同時に、人間の多様性を尊重し、一人ひとりの個性を活かすインクルーシブな社会の実現を目指します。
そのために、あらゆる分野と工学との知識融合を進め、社会からの多様な期待に応える優れたビジョンを形成します。そして、SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境、社会、企業統治)の視点を重視する企業等と力を合わせて、社会課題の解決に取り組みます。さらに、産業構造が資本集約型から知識集約型へと大きく変化する中、新しい社会に対応する工学教育を提供します。
社会の変革期はチャンスと捉えるべきです。私たちは、開拓精神をもって大きな挑戦を実行し、最高の工学教育研究で社会変革を先導し、世界の公共に奉仕します。
工学系研究科のポリシー
今日人類は科学技術によって、地球規模での変化を容易に起こす事の出来る程の力を手にしました。自宅から世界中のコンピュータへ向かってメッセージを発信することが可能になり、情報の伝達にとって地球の大きさが意味をなさなくなった一方で、気候変動を起こす程の大量の炭酸ガスを発生させるエネルギー大量消費社会も到来しました。一昔前には、生活を豊かにするという機能しか見えなかった科学技術に、政治的、経済的な影響を及ぼす様々な側面が明らかになりつつあります。現在、科学技術のより一層の発展と賢い利用が求められているゆえんであります。
工学の教育に携わる私たちは、科学技術の持つこのような多面性を理解し、その影響の及ぶ範囲に思いをいたし、全ての人間がより実りの多い生きがいのある営みを実現できるように努めます。科学技術の未来を支えるに足る工学の基礎とともに、技術の社会における位置や意味を教育し、幅広い視野と見識、国際感覚を身につけた高度な人材を養成します。研究面では、基礎的な研究を重視すると同時に、既成の工学の枠組みを取り払い、新しい地平を開拓する取り組みを積極的に推進します。
さらに、国際共同研究を含む国際交流を通じて環境問題やエネルギー問題など人類全体の未来に関わる問題の解決に寄与する一方、国際シンポジウムなどを通じて、情報の発信基地としての役割を果たします。また、公開講座や様々な共同研究を通じて、開放性に富んだ大学にするように努めます。
工学部のポリシー
今日の社会は、科学技術の成果を利用せずには一日たりとも機能しないことは明らかですが、また科学技術が結果として社会をもたらすことも事実です。生活環境が整い医療が高度化することによる高齢化社会の到来、大量消費による資源の枯渇や環境の汚染など、私たちが立ち向かわなければならない問題は様々です。
工学の教育・研究に携わる私たちは、科学技術が社会の中で活きてこそ意味があるという工学の原点から、様々な取り組みを行っています。その守備範囲と手法は限りなく広範です。原子レベルでの物質の理解から、それらを組み立て構造化する技術まで、情報の意味を問うことから、その効果的な伝達・処理技術まで、さらにこれら全ての技術が及ぼす社会的影響の評価に至るまで。
私たちはそれぞれの取り組み方で創意工夫し、汗をかきながら工学の一翼を担っています。
研究
ダイバーシティ推進・若手支援・知識融合を主軸として、国際的に卓越した工学研究を推進し、知識集約型社会における価値創造に貢献します。
教育
伝統と革新のバランスがとれた工学教育により、深い専門知識・アントレプレナーシップ・公共的かつ国際的な視野を涵養し、イノベーションを先導する知のプロフェッショナルを育成します。
組織運営
社会ニーズをスピーディーに捉えつつ、アカデミアでしかできない時間軸の長い大きな挑戦を実行できるように、研究教育基盤の強化・財源の多元化・規則の現代化を推進します。
連携
セクター・国境・世代の壁を超えた戦略的で幅広い協働を推進しつつ、工学系研究科の総合知を活かして社会変革のビジョンを形成し、より良い未来社会の構築を牽引します。