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若手研究者紹介:竹原 宏明 講師

若手研究者紹介:084

 

マテリアル工学専攻 一木・竹原研究室 竹原 宏明 講師

 

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【経歴】

2008年3月 東京大学 工学部マテリアル工学科 卒業

2010年3月 東京大学 大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻 修士課程修了

2013年3月 東京大学 大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻 博士課程修了

2013年4月 東京女子医科大学 博士研究員

2014年4月 奈良先端科学技術大学院大学 特任助教

2016年10月 東京大学 大学院工学系研究科マテリアル工学専攻 助教

2021年10月 東京大学 大学院工学系研究科マテリアル工学専攻 講師

2022年4月 科学技術振興機構 創発研究者

 

【研究について】

私たちは、次世代医療機器としての体内デバイスの研究に取り組んでいます。

 

体内埋め込み型のバイオデバイス技術は、新たな診断・治療を創出する次世代の医療技術として期待されています。また一方で、体内で使用されるデバイス・医療機器の研究開発では、安全性の担保が大変重要となります。そうした中、機能性と安全性を両立させるデバイス材料・プロセス技術が重要な役割を果たすことが期待されます。私たちは「マテリアル工学」によるアプローチで、材料のレベルから独自のデバイス・システムを提案し、体内で安全に機能する未来の医療機器の実現を目指した研究に取り組んでいます。

 

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たとえば、採血を伴わずに体の中の分子を計測するデバイスの研究では、センサを構成する材料に体内で安全に分解され排出される材料を用いることで、機能性と安全性を両立することができます。また、デバイスのサイズを極力小さくすることも重要です。ヒトの体のサイズに対して、医療機器のサイズを十分に小さくすることで、これまでアクセスが難しかった臓器への適用や、体内において診断と治療の両方を同時に行う超小型の医療機器が実現する可能性があります。

 

このような技術を実現するためには、従来の技術分野の垣根を超え、各分野の知見及び先進技術を統合する試みが必要だと考えています。私たちは、生体内で安全に機能するバイオマテリアルを活用した医療機器の研究開発や、バイオ・医療に向けた極微小サイズのエレクトロニクス技術の研究を進めています。いずれの研究も、新たな医療機器に繋がる技術、もしくはデバイスを、自身の手で創り出すという、工学研究の醍醐味が詰まっています。

 

【今後の抱負】

私たちは、マテリアル工学の視点でオリジナルの体内デバイス研究を発展させるとともに、その技術をベースとした次世代の体内医療機器を実現することを通じて、健康・医療に関する未来社会の課題解決に貢献することを目指します。

 

【URL】

一木・竹原研究室:http://bionano.t.u-tokyo.ac.jp/