トピックス

物理工学専攻 大野 瑞貴さん(D3)が応用物理学会講演奨励賞を受賞されました

 

2023年9月19日、物理工学専攻 大野 瑞貴さん(D3)が 2023年春季大会 応用物理学会講演奨励賞を受賞されました。

 

fig

 

2023年春季大会 応用物理学会講演奨励賞

「講演奨励賞」は、春秋講演会において応用物理学の発展に貢献しうる優秀な一般講演論文を発表した若手会員に対して贈られる賞です。

 

受賞された研究・活動について
研究タイトル:界面制御によるパイロクロア型単結晶Bi2Rh2O7薄膜の安定化

概要:パイロクロア型酸化物Dy2Ti2O7は古典スピンアイスであり、[111]方向に磁場を印加することで、2-in/2-outから3-in/1-out構造へ転移します。この転移に伴って、スピン構造由来のスカラースピンカイラリティは符号反転します。本研究では、絶縁体であるDy2Ti2O7薄膜上に非磁性伝導体Bi2Rh2O7を堆積させることで、この符号反転をトポロジカルホール効果として電気的に検出することに成功しました。以上の結果は、ヘテロ界面を通して創発磁場が伝搬したことを示唆しており、量子磁性体と電気輸送特性を結びつける新しい物理現象であると考えられます。

 

今後の抱負・感想
研究成果が認められ、このような名誉ある賞を頂けたことを大変光栄に存じます。丁寧なご指導と素晴らしい研究環境を用意して下さった川﨑 雅司 先生と藤田 貴啓 先生に皆様に深く感謝いたします。今回の受賞を励みに今後とも物性物理の分野に貢献できるよう尽力して参ります。

 

第54回(2023年春季)応用物理学会講演奨励賞 受賞者:

https://www.jsap.or.jp/young-scientist-presentation-award/recipients54