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バイオエンジニアリング専攻 シャンソン カン さん(D2)が「萌芽研究ポスターセッション・優秀賞 」を受賞されました

 

2022年11月4日、バイオエンジニアリング専攻 シャンソン カン さん(D2)が第60回日本人工臓器学会大会において「萌芽研究ポスターセッション・優秀賞 」を受賞されました

 

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萌芽研究ポスターセッション・優秀賞(第60回日本人工臓器学会大会)

30歳以下の若手の研究者・医師・臨床工学技士や看護師等のメディカルスタッフ・学生の会員を筆頭とする演題で、一般演題とするには完成度が不十分であるものの、近い将来に臨床上または学術上の高い寄与が期待できる萌芽的な研究を関するものを対象とする当該セッションにおいて、審査員による投票の結果、優秀であるとされたものに授与されます。

 

受賞された研究・活動について

膵島移植はI型糖尿病の治療法として期待されていますが、移植後の血管新生が不十分であるため、機能維持が困難です。生体組織工学によって血管網が配備された組織の再構築が期待されていますが、多くのアプローチでは、組織形状や細胞密度が不十分です。この問題を解決するために、バイオプリンティングを利用して流路を組み込んだ膵臓組織の構築を試みています。自由な3D流路構造を保持するためのマイクロゲルバスを用いた先進的なバイオプリンティングにより、温和で生体適合性の高い条件下で、3次元流路ネットワークを持つ構造体を正確に製作することに成功しました。ゲルバスは流路の整形を可能にする一方で、β細胞凝集塊と内皮細胞の機能性を2週間保持しました。

 

今後の抱負・感想

今後、流路の造形制度と細胞の機能性を両立させ、機能的な血管配備型の膵臓β細胞組織と呼ぶことのできる組織構築を目指して研究を進めます。そのような組織は、膵島移植に代わる新たな再生医療だけではなく、in vitro疾患モデルとしても期待されます。