【工学部/工学系研究科】 トピックス

化学システム工学専攻 ディマス アガング クルニアワン さん(D1)が「板垣宏学生奨励賞」を受賞されました

 

2022年11月20日、化学システム工学専攻 ディマス アガング クルニアワン さん(D1)が、35回日本動物実験代替法学会

において「板垣宏学生奨励賞」を受賞されました。

 

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板垣宏学生奨励賞

大会でのポスター講演演者のうち、審査員による投票を経て優秀とされた学生に贈られるもので、今後の更なる努力と代替法研究への貢献を期待し励ますものです。副賞は、創成期から学会を牽引して来られた板垣 宏 先生(元資生堂および横浜国立大学)のご寄付によります。

 

受賞された研究・活動について

小腸と肝臓は、経口摂取された薬物の運命を決定する重要な役割を担っており、両臓器間には薬物代謝におけるクロストークの存在が示唆されています。実際にヒトの肝臓と腸の細胞をin vitroで共培養すると、薬物代謝酵素(CYP)活性が上昇することが報告されていますが、そのメカニズムは不明です。マイクロフィジオロジカルシステム(MPS)は、血流を模した培養液の灌流条件下で異なる細胞を培養することができ、この未知のクロストーク機構の研究に利用できる可能性があります。本研究では、オンチップ灌流型MPS を用いた PXBキメラマウス由来のヒト肝細胞と iPS細胞由来の腸管細胞にて、培養液の灌流に加えて酸素透過膜を介した酸素直接供給にてクロストークが著しく亢進すること、RNA シークエンシングにより重要なパスウェイを見出したことを報告しました。このように、MPSを用いた臓器間クロストークの理解は、経口摂取薬物の体内取り込み予測ばかりでなく、体内に存在する様々な臓器連関の解明に役立つと考えられます。


今後の抱負・感想

近い将来、今回の成果を基にさらに研究を進め、肝臓と小腸のクロストークを解明していきたいと考えています。このクロストークに関わる経路やシグナル伝達分子は数多く存在すると思われます。そのためには、マルチオミクスアプローチとMPS共培養システムを組み合わせた研究が適していると考えています。