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北島 正章 特任教授が第5回ジャパンリサーチフロントアワードを受賞されました

 

2024年5月22日、水環境工学研究センター 国際下水疫学講座 北島 正章 特任教授が第5回ジャパンリサーチフロントアワードを受賞されました。

 

fig01記者説明会(5月22日開催)にてクラリベイト社より賞状を受け取る北島正章特任教授(写真右)

 

第5回ジャパンリサーチフロントアワード

リサーチフロントアワードは、今後飛躍的な発展が期待される先端研究領域を特定するとともに、その領域で世界をリードする日本の研究機関所属の研究者を広く社会に紹介することを目的とし、先端研究領域および受賞者を選出するものです。クラリベイト社が分類した22の学術分野において、最も高い頻度で引用されている上位1%の論文(高被引用論文)のうち、後に発表された論文と一緒に引用(共引用)されている論文の分析に基づき選出されます。

 

受賞された研究内容・活動について

この度、先端研究領域(リサーチフロント)として特定された「下水疫学」は、下水中のウイルス等の測定に基づき集団レベルの疫学情報を分析する学問分野であり、新型コロナウイルスのパンデミックを契機に学術的にも社会的にも大きな注目を集めています。
北島 特任教授(国際下水疫学講座)は、自身が専門とする環境ウイルス学の知見と技術を駆使し、新型コロウイルスの世界的流行の初期から下水疫学調査の有用性の提唱、塩野義製薬との産学共同研究による下水中ウイルスの高感度検出技術の開発、変異株検出技術の確立、札幌市などの自治体や東京オリンピック・パラリンピック選手村での実装と感染対策への貢献、下水データに基づく感染者数予測モデルの構築、網羅的公衆衛生情報保管手段としての「下水バンク」の提唱と概念実証など、数々の世界に先駆けた先進的な研究成果を挙げてきました
。学術的新規性と社会的重要性を両立させながら、「下水疫学」を新たな学問分野として開拓してきています。


今後の抱負・感想

栄誉ある賞を賜り大変光栄に存じます。下水疫学は、新型コロナウイルス感染症だけではなく、将来の新たな感染症の脅威に対抗する上でも重要な研究分野です。下水疫学の学術研究及び社会実装を推進していく上で、研究分野の先導性・先端性を客観的に示す本賞の受賞は大きな後押しとなります。この受賞を糧として、今後も世界的に影響を与える研究成果を創出しながら本分野の発展に貢献できるよう、研究に邁進していく所存です。

 

 

クラリベイト:日本がリードする先端研究領域と、その領域で活躍する研究者を発表
https://clarivate.com/ja/blog/clarivate-japan-announces-5th-japan-research-front-award/
水環境工学研究センター
https://www.recwet.t.u-tokyo.ac.jp