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福島秀哉助教が令和元年度山田一宇賞(公益財団法人前田記念工学振興財団)を受賞されました

 

 

「山中湖村における集落空間の近代的変容と村落共同体の領域形成に関する研究・共同体的特徴を考慮した生活空間の計画論構築に向けて」が「わが国における基礎研究の振興並びに若手研究者の育成を目的とし、新規性・独創性に富み、将来有用性が期待できる博士論文」として公益財団法人前田記念工学振興財団に認められ、同財団より2019年5月31日に山田一宇賞が授与されました。


<受賞された研究・活動について>
本研究の背景には、震災復興など現代の地方部における公共空間デザインの実践を通し、地域コミュニティの合意形成の進め方、意思決定の方法、住民が整備対象地に対して抱く感情などにおいて、村落共同体由来のコミュニティの社会的特徴や、生活空間の場所性が大きく影響していることへの気づきがありました。

近年、地域再生に向けて切実な課題を抱えている地方部でも、村落共同体の社会的特徴は学術研究の対象としてはあまり着目されてこなかったため、産業の変化や開発により空間的特徴が大きく変容した結果、地域主体と空間に関する共同体的特徴の読み取りが難しくなってきています。

博士論文では、このような地域において「共同体的特徴」を読み取り、国土・地域計画における地域主体を再構築しながら、地域住民との本質的な協働をともなう公共空間デザイン論につなげるための基礎的研究を試みました。

受賞後も引き続き、博士論文の対象地である山中湖村をはじめとする全国の地方都市において、地域文化の主体的継承の促進や多様な主体の交流による新たな景観の創出に向けた公共デザインの実践に取り組んでいます。

 

<今後の抱負・感想>
現在は、本研究の成果に基づく単著の刊行を目指すとともに、各地での計画実践を学術分野と連動させながら、その成果を学術研究にフィードバックしていきたいと考えています。
今回の受賞を励みに我が国の地域再生に貢献できるよう、研究と実践により一層精進して参ります。
引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

 

 

 

公益財団法人前田記念工学振興財団