プレスリリース

三菱電機と東京大学が社会連携講座 「持続可能な循環経済型未来社会デザイン講座」を開設:エコシステムの設計・検証に取り組み、サーキュラーエコノミーの実現に貢献

 

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社会連携講座における研究開発の全体像

 

三菱電機株式会社(以下、三菱電機)と国立大学法人東京大学大学院工学系研究科(以下、東京大学)は、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に向け、環境負荷低減と経済合理性の両立を実現するエコシステム1を設計・検証し、その構築にあたってのさまざまな課題解決を図ることを目的とした社会連携講座「持続可能な循環経済型未来社会デザイン講座」を10月1日に開設しました。社会連携講座とは、公共性の高い共通の課題について、民間等から受け入れる経費等を活用して大学に設置し、共同で研究を行う組織体です。

従来の大量生産・大量消費型の社会経済活動は、地球上の気候変動や生物多様性の破壊、希少な天然資源の枯渇、廃棄物の大量発生などの様々な環境問題をもたらしています。また、レアアース等の重要鉱物資源は、先進IT製品等の製造に必要不可欠である一方、資源の安定供給が課題となっています。このような観点から、限られた資源を最大限に循環させることで環境負荷を低減しつつ経済的な成長も達成するサーキュラーエコノミーの実現が強く求められています。

三菱電機と東京大学は今年4月1日、さまざまな社会課題を克服したありたい未来社会の姿について議論し、それを実現するための道筋を描いていく共同研究体「三菱電機-東京大学 未来デザイン会議」を設立し2、議論を進めてきました。そのなかで、地球規模で解決すべき課題であるサーキュラーエコノミーこそ、社会の一員である両者が率先して取り組むべき重要課題と位置づけ、このたび、その実現に向けた方策を検討する社会連携講座を東京大学に開設するに至りました。

サーキュラーエコノミーの実現にあたっては、環境負荷の低減と同時に、エコシステムを構成するステークホルダーの経済合理性を成立させることが重要です。そこで、本講座では、エコシステム全体のモデル化に取り組むとともに、モデルを用いたシミュレーションによりステークホルダー間の関係性を整理したうえで、経済合理性を阻害する要因を探求し、その解決に向けた研究を進めます。三菱電機が保有するさまざまな事業・製品をモデルケースとして検証を進めることで、各ステークホルダーの果たす役割や、民間企業における最適な事業モデルのあり方、法規制のあり方などを明らかにし、実効性のあるエコシステムの構築を目指します。

 

※1「生態系」を意味する英語で、これになぞらえて、社会、企業、消費者、製品、サービスなどが相互作用しあい、経済圏やビジネス環境を構成する様子を指す

※2 2023年5月26日広報発表 https://www.MitsubishiElectric.co.jp/news/2023/0526-a.pdf

 

社会連携講座の概要

名称

持続可能な循環経済型未来社会デザイン講座

設置場所

東京都文京区本郷7-3-1

東京大学大学院工学系研究科

設置期間

2023年10月1日 ~ 2026年9月30日(3年間)

研究題目

・日本製造業の強みを活かした循環型経済実現のためのエコシステム設計

・システム実現のボトルネックおよび課題の抽出と、解決策の検討

研究体制

講座長:熊田 亜紀子(東京大学大学院工学系研究科 電気系工学専攻 教授)

梅田 靖(東京大学大学院工学系研究科 附属人工物工学研究センター 教授)

田中 謙司(東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 准教授)

木下 裕介(東京大学大学院工学系研究科 精密工学専攻 准教授)

木見田 康治(東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 特任講師)

(このほか、三菱電機からの研究員 10 名規模が参加)

 

今後の予定・将来展望

三菱電機と東京大学は、サーキュラーエコノミーを実現するエコシステムの構築に向けた課題を明らかにし、それぞれの課題解決に取り組んでいきます。取り組みの中で得られた成果は、学会やオープンフォーラムなどの場で順次発表するとともに、「三菱電機-東京大学 未来デザイン会議」ホームページ3にて公開していきます。また、研究成果の事業への活用や仲間づくり、行政への政策提言などを通じ、社会実装を進めていきます。

 

※3 「三菱電機―東京大学 未来デザイン会議」ホームページ https://melut-fdc.t.u-tokyo.ac.jp/

 

 

 

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