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東京大学、アイスクウェアド、清和ビジネス、ダイスネクスト、フジタ、明豊ファシリティワークスは、既存建物情報のデジタル化による空間価値創造にむけた社会連携講座を共同開設
国立大学法人東京大学大学院工学系研究科(以下、東京大学)、株式会社アイスクウェアド、株式会社清和ビジネス、株式会社ダイスネクスト、株式会社フジタ、および明豊ファシリティワークス株式会社は2023年3月1日に「既存建物情報のデジタル化による空間価値創造(キャンパスマネジメントDX)」社会連携講座※1を開設いたしました。
スクラップ&ビルドによる旧来の施設更新のあり方を脱却するという目的意識のもと、本講座はセンシングやモニタリング、XR技術やゲームエンジン等の技術を活用し、デジタル空間情報の集約・分析手法やそれに基づく施設マネジメントのための定量的評価・運用手法を確立することで、既存建物群のハード/ソフト両面からの新たなマネジメントのあり方の提案と実証を目指します。
本講座では、主に東京大学のキャンパスを研究・教育活動のフィールドとして最大限活用し、下記の課題に取り組みます。
1)キャンパス内外の人の流れ、集まり方などの時間変化のデータ取得に基づく、人々のアクティビティと空間の関係性評価
2) 経営的な視点と居心地や快適性の視点の両面からの評価、およびキャンパス内のみならずキャンパス周辺のエリアマネジメントへの発展
3) 建築構造・建築設備などの老朽化や改修後の改善状況などをセンシング・モニタリングにより定量的に把握し、BIM(Building Information Modeling)等の空間デジタル情報と連携させることによるマネジメントの向上
4) 上記1)〜3)を実現するための最適なデータ取得方法の確立とこのデータを紐付ける空間デジタル情報のあり方の探求および構築。さらにこれを通じた未来のキャンパス空間構築の提案。
20世紀的な「成長」を前提とした開発や建設がリアリティを失いつつある現代において、「成長なき繁栄」をいかに構想するのか。本講座では上記のテーマを実践しつつ、歴史的な建物群と最先端技術の融合による空間資源の価値向上を実現する新しい建築哲学を追求します。
これらの研究の実践には、センシング・データ処理から、建築計画・構造・環境、および空間資源価値評価やマネジメントまでの幅広い知識・技術を必要とします。研究・教育活動の推進にあたり建設系のみならず、電気系・情報系等幅広い学生を対象とした大学院講義および演習を設定し、新たな建築哲学を実践する人材の育成に努めてまいります。
※1)社会連携講座とは、公共性の高い共通の課題について、本学と共同して研究を実施しようとする民間等外部の機関から受け入れる経費等を活用して設置される講座をいい、民間機関等と連携することにより、本学における教育研究の進展と充実を図り、人材育成をより活発化させ、もって学術の進歩及び社会の発展に寄与することを目的としています。
社会連携講座の概要
講座名
「既存建物情報のデジタル化による空間価値創造
(キャンパスマネジメントDX)」社会連携講座
設置期間:2023年3月1日〜2026年3月31日(3年1ヶ月)
担当教員:加藤 耕一(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 教授)
伊山 潤(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 准教授)
前 真之(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 准教授)
石田 康平(東京大学大学院工学系研究科
附属キャンパス・マネジメント研究センター 特任助教(専任))
※加藤教授、伊山准教授、前准教授は、特任教員として本講座を兼務。
各社からのコメント
株式会社アイスクウェアド
現代社会における人々の価値観の多様化と受容、それに伴う行動様式の変容により複雑化する社会課題に対して、空間価値創造は重要なソリューションになり得ると考えています。アイスクウェアドは、本講座を通じて、デジタル空間情報マネジメント手法の社会実装に向けて貢献してまいります。
株式会社清和ビジネス
清和ビジネスは、人々が集う場に、新たな空間と時間を創造することをお手伝いしてまいりました。この社会連携講座を通じ、新たなキャンパスの在り方が、施設利用者の活動そして周辺地域とどのように結びつくのか、その関係性を知るための手法の確立と、それらを活用できる人材の育成に貢献してまいります。
株式会社ダイスネクスト
建物を人体になぞらえると、姿:「意匠」、骨格:「構造」、血管:「設備」となるのではないでしょうか。そして、「筋肉」の役割は①姿勢を保つ、②代謝を上げる、③免疫力を上げる等々となります。本取り組みが、「デジタルマッスルの強靭化」に繋がることを期待しております。
株式会社フジタ
フジタは建設業を通じて社会に貢献する総合建設会社です。近年DXに力を入れており、各種センシング技術やBIMを利用した建物の管理運用技術の開発を行っています。本講座を通じて、DXによる建物価値の向上と共に新たな価値創造を実現したいと考えております。
明豊ファシリティワークス株式会社
明豊ファシリティワークスは、CM手法を活用した発注者支援事業を展開しています。教育施設をはじめ、研究所やオフィスなど様々な分野でハード/ソフトの両面から、発注者とともに空間価値創造に取り組んできました。既存建物情報のデジタル化と空間価値創造(キャンパスマネジメントDX)の実現には、施設管理(FM)を発注者視点で推進できる人材と活用し易い情報システムが必須です。本講座を通して、歴史的な建物群と最先端技術の融合による空間資源の価値向上を実践する、新しい建築哲学を持つ人材が育つことを期待しています。
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