人工物工学研究センター 特任研究員 高御堂 良太さんが精密工学会春季大会学術講演会でBest Presentation賞を受賞されました

2024/06/14

 

2024年3月14日、人工物工学研究センター特任研究員の高御堂 良太さんが精密工学会春季大会学術講演会でBest Presentation賞を受賞されました。

 

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2024年度精密工学会春季大会学術講演会 Best Presentation賞

2024年度精密工学会春季大会学術講演会において、優れた内容の口頭発表を行った登壇者に対して贈呈されます。

 

受賞された研究・活動について

マルチモーダル知覚行動計測システムによる熟練点検技能の抽出」

竹内 寛樹, 高御堂 良太, 神田 真司, 梅田 靖, 淺間 一, 笠原 清司, 大和 尚也. 伊藤 裕之, 大東 泰三, 田村 直, 加藤俊哉, 是永 真泰, 笹村 晃伸, 野中 史彦, 太田 順. (2024).
2024年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集, H44, (pp.816-817). 東京, 2024年3月12日~14日.

 

従来点検・異常検知課題における熟練技能の解明は、熟練者はどの機器をどれくらいの時間見ているか、といった視覚に着目した分析によって行われてきました。しかし、実際には熟練者は視覚以外にも、聴覚(装置から変な音がする等)、嗅覚(配管漏れた液体の匂いがする等)、触覚(いつもよりも装置の振動が大きい等)などの様々な感覚情報を用いて、異常の早期発見を可能にしています。そこで我々は、4つの異なる感覚呈示デバイスを統合したマルチモーダル知覚行動計測システムを開発し、それを用いて熟練者と未熟練者の違いを実験的に検証することで、従来点検・異常検知課題における新たな熟練技能を明らかにしました。具体的には、我々の実験の結果、熟練者は未熟練者に比べて、多感覚の情報を組み合わせて発見する異常の検知に優れていること、また、重要な点検対象に対しては、視覚のみでなく、触覚などの多感覚の情報も取得し、より包括的な観点から点検作業を行なっていることなどを明らかにしました。このような熟練技能は、本研究で開発したマルチモーダル知覚行動計測システムによって初めて明らかにすることができるものであり、今後は得られた結果を基にした教育用のシステムの開発などが期待されます。

 

今後の抱負・感想

このたび、受賞できたことを心から光栄に思います。この栄誉は、太田教授をはじめとする共同研究者皆様のご指導と、修士論文としてこの研究課題に取り組んでいただいた竹内寛樹さんの精力的な活動など、様々な方のご協力やご支援があってのことです。心より深く感謝申し上げます。この受賞を契機に、より一層の研究活動への励みとし、科学の進展に寄与できるよう尽力して参ります。