トピックス

【受賞講演】沖 大幹 教授がジョン・ドルトン・メダル受賞にあたり講演されました

 

20221130、日本そしてアジア在住として初となるジョン・ドルトン・メダルが工学系研究科 社会基盤学専攻 河川流域環境研究室の沖 大幹 教授に贈られました。その快挙に心からのお祝いを申し上げます。
 
2023年4月26日にウィーンでの授賞式に出席され、27日に開催された欧州地球科学連合(EGU)総会に於いて受賞講演が行われました。 講演にて、受賞者の紹介にあたっては、沖先生と親交の深いMurugesu Sivapalan(Siva)教授(イリノイ大学)が壇上に上がりました。教授が初めて沖先生に出会ったのは30年以上前、会議で来日された際のことで、沖先生がまだ博士課程の学生だった頃だそうです。そのときから沖先生の才能を見守り、共に時を重ねる中で、今日、沖先生がこのジョン・ドルトン・メダルを受け取るに至る姿を目にされたのは、本当に感銘深いことだっただろうと想像します。
沖先生の研究は、相変化を伴いながら大気や陸面を移動する淡水のグローバルな循環です。それだけ幅広い分野を扱うにあたっては、一つ一つの対象と向き合う真摯さはもちろんのこと、それらを通底して扱うための視野の広さが不可欠で、若くからそれらを積み上げていかれた沖先生の先見の明に驚きます一朝一夕では実現できないキャリアの一つ一つがきちんと積み上げられていく重みが、Siva教授のご紹介からも、沖先生自身の受賞講演からも感じられ、震えました。
我々のような多くの若手研究者にとって、沖先生はすでに教授として確固たる地位を築かれている人物でありそのキャリアの途中経過を具体的に想像することは難しいものです。しかし、今回の受賞講演を通じて、沖先生もまたかつては一人の若手研究者であり、その先に待つ「established」な状態に至るまでには、数多くの挑戦と努力が必要だったことが実感されました。なかなか真似できるものではありませんが、それでも博士課程から沖先生のような姿へと地続きに繋がるキャリアの可能性を感じ、それに向けて、世界に飛び出して努力を続ける力強さを改めて感じることができました。 
沖先生の受賞は、我々若手研究者にとって、新たな可能性と挑戦の道を示してくれました。これからもその足跡を追い、自分たちの道を切り開くために、日々の研究に邁進したいと思います。
 
社会基盤学専攻 助教 南出 将志
 
 

1
©2023 EGU

2
©2023 Kim Hyungjun
 
 
関連記事