トピックス
- スポットライト
- 研究
- 2022
若手研究者紹介:白岩 隆行 講師
若手研究者紹介:061
マテリアル工学専攻 榎・白岩研究室 白岩 隆行 講師
【経歴】
2008年3月 東京大学工学部マテリアル工学科卒業
2010年3月 東京大学工学系研究科マテリアル工学専攻修士課程修了
2013年3月 東京大学工学系研究科マテリアル工学専攻博士課程修了
2010年4月 日本学術振興会 特別研究員(DC1)
2013年4月 東京大学工学系研究科マテリアル工学専攻 特任研究員
2015年4月 東京大学工学系研究科マテリアル工学専攻 助教
2020年4月 東京大学工学系研究科マテリアル工学専攻 講師
【研究について】
金属材料やセラミックス、高分子など、私たちの身の回りでは様々な材料が使われています。人の目では一色に見える材料も、顕微鏡で観察すると大小様々な結晶から構成されていたり、ナノ~ミクロスケールで不規則な構造をもっていたりします。このような目に見えないスケールでの構造不均質を制御することで、強度など、目に見える特性がダイナミックに変化するのが材料工学の魅力です。
例えば、自動車に使用されるような鉄鋼材料では、硬い結晶粒と軟らかい結晶粒の配置をうまく制御することで、思いがけず高強度・高延性を発現できることがわかりました。これらの構造材料は、道路や橋梁などのインフラ構造物や、自動車、電車、航空機などの移動体と、私たちの身近なところで使用されています。たとえ小さな性能向上であっても、社会全体に与えるインパクトは非常に大きなものになります。
これらの優れた材料性能を一定の時間・空間に渡って保つことが材料の信頼性です。材料の開発、製造、利用の際に、材料信頼性を定量的に評価し、制御し、向上させる研究をしています。具体的には、(1)鉄鋼材料の力学的特性向上のための逆問題解析、(2)チタン合金・マグネシウム合金の疲労機構解明、(3)3次元積層造形中の損傷モニタリング、(4)アコースティック・エミッション法と転位動力学法のデータ同化、などの研究に取り組んでいます。
【今後の抱負】
魅力ある先端材料を、未来の社会基盤構築に欠かせない材料とするために、材料の信頼性評価と材料開発へのフィードバックを行いたい。
【URL】
榎・白岩研究室:https://rme.mm.t.u-tokyo.ac.jp/