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- 研究
- 2019
若手研究者紹介:酒井幹夫准教授
若手研究者紹介:016
原子力国際専攻 酒井研究室 酒井幹夫准教授
【経歴】
2006年 東京大学大学院工学系研究科システム量子工学専攻博士課程修了、博士(工学)
2007年 東京大学大学院工学系研究科システム量子工学専攻・助教
2008年 東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻・准教授
2012年 東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻・准教授
2013年~現在 東京大学大学院工学系研究科レジリエンス工学研究センター(原子力国際専攻 兼担)・准教授
2016年~現在 Imperial College London・Visiting Reader
【研究について】
原子力工学では、安全評価などにおいて過酷環境を想定する必要があるため、全ての現象を実験によって検証することが極めて困難になります。現象が実験で検証できない場合、コンピュータシミュレーションによる模擬を求められることもあります。このような背景から、原子力工学では、高度なコンピュータシミュレーション技術が培われてきました。複数の物理モデルを組み合わせて模擬するマルチフィジックスシミュレーションも例外ではありません。私が研究対象としている混相流の数値シミュレーションもマルチフィジックスシミュレーションに含まれます。私のグループでは、主に固体粒子と流体(気相and/or液相)との相互作用を模擬する混相流のモデリングや混相流が係わる現象解明に関する研究に取り組んでいます。固体粒子群を大きなモデル粒子で代表して模擬するスケーリング則モデル、スカラーフィールドを用いた任意形状壁面モデリング、自由液面を伴う固体-流体連成問題のモデリングなどの独自技術を駆使して研究を展開しています。私のグループで開発したマルチフィジックスシミュレーション技術は波及効果が極めて高いため、原子力はもちろんのこと、自動車、鉄鋼、プラント、製剤、食品、化粧品をはじめとする幅広い分野に応用されています。最近では、国内外の大学や研究機関と連携しながら新しい学問領域を開拓しており、卓越した技術を持つことの重要性ばかりでなく、チームワークにおける多様性の尊重や研究遂行のスピードの大切さも感じています。
【今後の抱負】
私のグループで開発したマルチフィジックスシミュレーション技術は、多方面に応用することができます。世界中の研究者と連携しながら、マルチフィジックスシミュレーションを中心とした新しい研究領域を開拓していきたいと思います。
酒井研究室ホームページ : http://dem.t.u-tokyo.ac.jp/index.html
YouTube : https://www.youtube.com/watch?time_continue=56&v=Rr67bQ61RRU