化学生命工学専攻 太田祐介さんが、日本化学会第94春季年会において、学生講演賞を受賞されました。
<受賞された研究について>
後周期遷移金属触媒を用いたエチレンと極性モノマーの共重合反応は、分岐鎖が少なく構造が制御された官能基化ポリエチレンを得る合成法として近年注目を集めています。なかでも、ホスフィン-スルホナート配位子を有するパラジウム錯体は、様々な極性ビニルモノマーとの共重合に適用可能です。しかし、この触媒で得られる共重合体は分子量が低いという問題がありました。本研究では、ホスフィン-スルホナート配位子のリン上の置換基として種々のアルキル基を有する配位子の合成および重合触媒活性の検討を行いました。その結果、リン上の置換基の立体的な大きさと分子量との間に強い相関があることを見出しました。共重合についても同様の相関がみられ、嵩高い配位子を用いることで既存の触媒に比べて高い分子量の共重合体が得ることができました。
<今後の抱負・感想>
このような賞をいただいて光栄に思います。研究を推進するにあたり、ご指導いただいた野崎京子教授、伊藤慎庫助教をはじめ研究室のみなさまに深く御礼申し上げます。今後も研究活動に精進していきたいと思います。