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化学システム工学専攻 法雨大佑さんが化学工学会第79年会において学生賞銅賞を受賞されました

 

化学システム工学専攻 法雨大佑さんが、化学工学会第79年会において学生賞銅賞を受賞されました。学生賞は、年会においてポスター発表を行った全ての学生が選考対象となり、要旨や発表内容の審査を経て受賞者が決定します。

 

写真:公益社団法人 化学工学会ホームページより転載

 


<受賞された研究について>

燃料電池は化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換するため、高効率なエネルギー変換デバイスとして注目されています。特に、固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、発電温度が700oCから1000oCと高く、他の燃料電池に比べても高い発電効率と燃料適応性を有しています。通常の燃料電池システムでは、炭化水素から生成したH2を燃料に発電を行いますが、SOFCの場合は、燃料極に使用する触媒が炭化水素からH2を生成する際の触媒としても機能するため多様な燃料を使用することができ(燃料適応性)、炭化水素を直接燃料極に導入して、水素生成反応(改質反応)と電気化学的酸化反応を同時におこなうことができます。このようなSOFCは直接内部改質型SOFC(Direct Internal Reforming SOFC, DIR-SOFC)として知られており、発電効率や熱効率の向上が期待されています。しかし、DIR-SOFCでは、炭素析出による燃料極触媒の劣化が問題となります。本研究では、ペロブスカイト型構造を持つ酸化物であるLaxSr1-xTiO3とNiの混合物を用いて、含浸法という新しい電極調製方法で燃料極を作製することで、炭素析出耐性が向上することを示唆する結果が得られました。

 

<今後の抱負・感想>

今回、私にとって学生としての最初で最後の学会となりましたが、このような賞をいただくことができ非常に嬉しく思います。これも、菊地隆司准教授をはじめとする、研究室のスタッフおよび学生メンバーのサポートがあったためとであり、感謝の意を述べさせていただきたいと思います。私は、研究生活を通じて、とことん自分で考え、データーと真摯に向き合う姿勢を身につけられたと思います。今後は、ここで得られた経験を元に様々なことに挑戦し、活躍していきたいと思います。