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精密工学科 門田悠暉さんが日本生体医工学会 関東支部若手研究者発表会において優秀論文発表賞を受賞されました

 

精密工学科4年生の門田悠暉さんが、日本生体医工学会 関東支部若手研究者発表会において優秀論文発表賞を受賞されました。

 

<受賞された研究について>
近年、細胞移植時に衝撃波を照射することによって治療効果が増進するという報告がされています。衝撃波治療における低侵襲・低コストという利点からも、このような生体軟組織に対する新規医療応用の実現が期待されています。
しかし、衝撃波による生体軟組織への治療効果の具体的なメカニズムは解明されていません。その理由としては、生体中における衝撃波の挙動および作用が非常に複雑であることが挙げられます。しかし、既存の衝撃波照射装置は人体に対して用いる仕様であるために大型であり、培養細胞等を用いる基礎実験には向いておらず、研究があまり進んでいないのが現状となっています。そこで私は基礎実験用の衝撃波照射装置を新たに開発し、培養細胞への衝撃波作用、具体的には細胞間接着の剥離について調査を行いました。その結果、衝撃波によって細胞間接着が一時的に剥離されることおよび細胞間接着の一時的な剥離には衝撃波圧力による閾値が存在することが示唆されました。この結果から衝撃波照射によって細胞間接着が一時的に剥離し、細胞の間隙が広がることで、移植片への栄養の輸送効率が向上し、細胞移植の治療効果増進に繋がるというメカニズムが一つの可能性として示唆されました。また、この閾値については、体内に衝撃波圧力を集束させることで局所的に治療を行う医療を実現するために非常に重要な知見になりえると考えられます。

 

 

<今後の抱負・感想>
このたびはこのような賞を頂けたことを大変光栄に思います。本研究を進めるにあたり熱心に指導してくださった佐久間一郎教授、牛田多加志教授、小林英津子准教授にこの場を借りて心より感謝を申し上げます。今回の受賞を励みに、衝撃波による生体軟組織への医療応用の実現に向けて、より一層研究に精進していきたいと考えています。