プレスリリース

デジタル岩石物理化学モデルの構築技術に関する研究について

 

JX石油開発株式会社(社長:中原 俊也、以下、「JX」といいます。)は、国立大学法人東京大学大学院工学系研究科 辻研究室(教授:辻 健、以下、「東京大学」といいます。)が取り組むデジタル岩石物理化学モデルの構築技術に関する研究に対して寄付を行いましたので、お知らせいたします。 
  
JXと東京大学は、エネルギーの有効活用と二酸化炭素(CO₂)による環境負荷の低減を両立する技術としてCO₂-EOR(Enhanced Oil Recovery)(注1)に着目し、東京大学は、CO₂-EORにおける原油回収率のさらなる向上を実現する技術として、分子レベルで原油やCO₂の挙動をモデル化するデジタルオイル技術について、2020年度から2022年度の間、研究を実施し、JXは、当該研究活動に対し寄付を行いました。 
   
今般、東京大学がこのデジタルオイル技術に加え、分子レベルから岩石中の隙間までの幅広いスケールでのCO₂の分布形態や挙動の再現に資する「デジタル岩石モデルの構築に関する研究」および「CO₂鉱物化プロセスに適した岩相特定に関する研究」を行うため、JXは、引き続き東京大学の研究活動に協力することとし、新たな寄付を行いました。これらの研究成果は、将来のCO₂地中貯留プロジェクトへ活用できることが期待されます。 
  
東京大学は、岩石モデル内の流体挙動を数値シミュレーションで計算することにより浸透率を求める取り組みや、弾性波動シミュレーションによる弾性波速度を求めることで岩石物性を推測し、分子レベルの化学反応も統合した「デジタル岩石物理化学」に関する研究を進めております。 
 
一方、JXは、サステナブルな社会の実現に貢献すべく、東京大学のデジタル岩石物理化学技術の研究を現場に応用できるかを検討するなどCCS(注2)/ CCUS(注3)を軸とした環境対応型事業の展開を模索してまいります。 

 

以 上

 

(注1)CO₂-EOR: 二酸化炭素を利用した原油増進回収技術 
(注2)CCS: Carbon dioxide Capture and Storageの略。排出されるCO₂を回収し、地下に圧入・貯留する技術 。 
(注3)CCUS: Carbon Capture Utilization and Storageの略。排出される CO₂を回収・貯留することに加え、新たな商品や
エネルギー生成のために利用する技術。 

 

 

fig01

研究関係者一同 
(左から、JX:鈴木デジタル推進部長、東京大学:特任研究員 梁博士、東京大学:辻教授、 
JX:中原社長、JX:友枝技術戦略部長) 

 

 

fig02

デジタル岩石物理化学モデルの構築技術について議論する様子

 

 

 

プレスリリース本文:PDFファイル