東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻杉山弘和准教授の研究グループは、バイオ医薬品の無菌充填工程における装置選択ツール“TECHoice”のプロトタイプ版を公開します(http://www.pse.t.u-tokyo.ac.jp/TECHoice/)。バイオ医薬品製造では従来、タンクなどのステンレス製装置を、バッチ生産のたびに洗浄・滅菌する「マルチユース技術」が用いられてきました。この手間を省く新技術として、予め洗浄・滅菌された樹脂製装置を組立て、使い捨てる「シングルユース技術」が登場しました。しかし、シングルユース技術とマルチユース技術は、コストなど様々な面で異なる特徴を持つにも関わらず、総合的な評価手法は未確立でした。
本研究グループは、無菌充填工程におけるシングルユース・マルチユース技術の選択を、経済性・環境影響・製品品質・供給安定性を考慮して実施するためのオンラインツールを開発してきました。今回、そのプロトタイプ版を、学術誌Processesでの発表とともに公開します。これにより製薬企業をはじめ幅広いユーザーからの自由なアクセスが可能になります。今後、プロトタイプ版を起点に機能の拡充を進め、“TECHoice”の実用化を目指します。
プレスリリース本文:PDFファイル
Processes:https://www.mdpi.com/2227-9717/7/7/448/htm