プレスリリース

安全性・核セキュリティ・核不拡散性を強化したプルトニウムを燃料とする高温ガス炉の燃料製造基盤技術の確立に向けた研究開発 -日本が保有する47tのプルトニウムのさらなる有効利用-

 

東京大学の岡本孝司教授、日本原子力研究開発機構の國富一彦副部門長、富士電機の大橋一孝主査、原子燃料工業の大平幸一部長らの共同研究グループは、従来の高温ガス炉用燃料(TRISO燃料粒子)に、新たに安全性(Safety)、核セキュリティ(Security)、核不拡散性(Safeguards)の機能を強化した3S-TRISO燃料粒子の製造基盤技術のうち、プルトニウムの模擬物質としてセリウム(Ce)を用いた、YSZ燃料核固化技術及びジルコニウムカーバイド(ZrC)層の被覆技術を確立しました。プルトニウム燃焼の燃料製造から原子炉の運転及び使用済燃料処分までのライフサイクルを通じた3Sの成立は、従来のTRISO燃料粒子では困難でしたが、3S-TRISO燃料粒子の導入により成立することを確認しました。本研究成果から、3Sを成立させつつ、現在日本が保有するプルトニウム47 tを、プルトニウム燃焼高温ガス炉を15基導入した場合は10年程度、4基導入した場合は40年程度で消費することが可能です。

 

 

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