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物理工学専攻 阪本 天志さん(D1)が「日本物理学会学生優秀発表賞」を受賞されました


2022年4月9日、物理工学専攻 阪本 天志さん(D1)が、第77回年次大会(2022年)において「日本物理学会学生優秀発表賞」を受賞されました。

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第77回年次大会(2022年)「日本物理学会学生優秀発表賞」
日本物理学会が主催する学術講演会における学生講演を対象に、審査を経て優秀と認められたものに対して贈られる賞です。

受賞された研究・活動について

私たちは、レーザー光を活用した物質の精密な制御や観測を目指し、研究に取り組んでいます。「レーザー冷却」という手法を用いると、光のもつ運動量を通じて原子を極低温まで冷却することができます。レーザー冷却された原子は、その性質を自在に制御・観測できる特徴があるため、基礎物理の検証や量子計算に代表される多くの研究の舞台となっています。
本研究では、広範な自然科学への応用が期待されながらも実現が難しいとされていた「炭素原子のレーザー冷却」を目指し、必要とされる技術開拓をおこないました。レーザー照射に伴う炭素の昇華現象や、独自に構築した深紫外パルス光源を活用することで、冷却の基本となる二つのプロセス(気体発生と光学遷移の励起)がおこなわれた証拠をとらえました。
本成果は、炭素原子のレーザー冷却の基礎となる技術を初めて実証したものであり、低温である宇宙の物質進化の過程を探るような、冷却原子の新しい応用へ向けた最初のステップとなりました。

今後の抱負・感想

名誉ある賞を頂き光栄です。
駆け出しの時期から指導と激励を続けてくださっている吉岡孝高准教授に深く感謝しています。
今後も活動を楽しむ姿勢を忘れず、分野へのより大きな貢献を目指します。