若手研究者紹介:細見 拓郎 准教授

2026/10/13
若手研究者紹介:093
細見 拓郎

准教授 応用化学専攻|柳田研究室 

 

fig01

 

 

経歴

2018年 3月  
京都大学大学院工学研究科 物質エネルギー化学専攻 博士後期課程修了、博士(工学)
2018年 4月 
日本学術振興会 特別研究員(PD)
2018年10月
九州大学 先導物質化学研究所 特任助教
2019年10月
科学技術振興機構 さきがけ研究者
2020年 4月
東京大学 大学院工学系研究科 応用化学専攻 助教
2023年 7月
同 講師 
2025年 7月-現在 
同 准教授 

 

 

研究について

 

有機分子は、一つひとつが決まったかたちを持っています。原子のつなぎ方を変えることで、その長さや枝分かれ、他の物質と結びつく場所を細かく設計できます。一方、金属や金属酸化物などの無機材料は、多数の原子がつながった固体であり、有機分子のように一つのまとまった単位としてかたちを設計することは容易ではありません。しかし、丈夫さや電気を流す性質など、実用上優れた特徴を持ち、身の回りの多くの機器を支えています。私は、有機分子のかたちを利用して無機材料の表面構造を制御し、両者の良さを引き出す材料づくりを研究しています。


具体的には、無機材料の表面に有機分子を並べ、原子層堆積という方法で無機材料を一原子層ずつ成長させます。有機分子には、無機材料の成長の起点となる場所を作ることが出来ます。その場所の位置や間隔を分子のかたちによって調整することで、表面にできる層や空間の構造をつくり分けます。いわば、分子を道具にして、目には見えない小さな世界で無機材料を造形する方法です。


有機物と無機物は、大局的には「水と油」のように分かれてしまうことが多いものです。ところが、ナノメートル以下の世界、分子の大きさの世界で両者の界面を観測すると、両者が密接に相互作用することが分かっています。両者の接点を精密につくり込むことで、緻密な設計性と頑丈さとを兼ね備えた、新しい材料の可能性を広げたいと考えています。

 

fig02

 

 


今後の展望・抱負

 

今後は、有機分子のかたちを生かして、無機材料の構造や性質をもっと自在に設計したいと考えています。目指すのは、彫刻家が思い描いたかたちを生み出すように、分子を道具として、望みの構造を無機固体の表面につくり込むことです。そのために、分子のかたちや並び方が無機材料の成長をどう導き、できあがった構造がどのような物性や化学反応性を示すのかを明らかにしていきたいと考えています。

 

 

オフショット ―研究者の素顔を紹介―

 

いつも「オープン」であることを心がけています。学生さんが気軽に声をかけられる存在でありたいですし、自分も新しい知識や考え方に心を開いていたいと思っています。研究で見つけた面白さを広く共有し、そこから新しい対話が生まれることを楽しみにしています。

 

 

 

関連URL

 

柳田研究室:http://yanagida-lab.weebly.com/ 
研究者情報(researchmap):https://researchmap.jp/t-hosomi 

 

 

 ※所属・職位は取材当時のものです。