若手研究者紹介:成川 隆文 特任准教授

2026/09/01
若手研究者紹介:089
成川 隆文

特任准教授 原子力専攻原子力国際専攻(兼担)|高田研究室  

 

 

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経歴

2011年 3月 
大阪大学工学部環境・エネルギー工学科 卒業 
2013年 3月 
大阪大学大学院工学研究科環境エネルギー工学専攻 博士前期課程 修了
2013年 4月
日本原子力研究開発機構 安全研究センター (~2022年3月まで)
2019年 3月
東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻 博士課程修了、博士(工学)
2022年 4月
東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻 助教
2026年 7月
東京大学大学院工学系研究科原子力専攻 特任准教授(原子力国際専攻兼担)

 

 

研究について

 

原子力発電所の安全性を確保するためには、滅多に起こらないけれども、ひとたび起こると重大な影響をもたらす事故に備える必要があります。そのためには、事故時に何が起こり得るのか、それが起こる確からしさはどれほどか、起こればどのような影響が生じるのかを、限られた知見やデータから見極めなければなりません。


私は、こうした不確かな状況でリスクをどう捉え、安全上の意思決定につなげるかを研究しています。


実験や数値シミュレーションによって事故時に起こる現象を理解し、ベイズ推論によって、その理解に含まれる不確かさを定量化し、新たな知見を取り込みながら更新していきます。さらに、設備の故障や人の対応などを組み合わせて、起こり得るさまざまな事故シナリオをロジックツリーで体系的に展開し、それぞれの発生確率と影響を不確かさを含めて評価することで、発電所全体のリスクを捉えます。これが確率論的リスク評価(Probabilistic Risk Assessment: PRA)です。 こうして得られたリスク情報を、実際の安全上の判断に役立てることを目指しています。


一方、安全に関わる意思決定は、工学だけで完結するものではありません。工学的に評価したリスクに対してどこまで備えるべきかという判断や、そもそも何をリスクとして評価すべきかといった判断には、人々が何を許容し、何を求めるのかという規範が関わります。こうした工学的リスク評価と社会的な規範の双方を踏まえて、より良い安全上の意思決定のあり方を研究しています。

 

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今後の展望・抱負

 

将来にわたって安全性を確保し、高めていくには、予見可能なリスクへの対応だけでなく、将来生じ得る新たなリスクにも備えるための技術革新が欠かせません。一方で、新しい技術ほど、実績も知見も限られています。事故耐性燃料や次世代革新炉などを対象に、技術革新による安全性の向上と、限られた知識のもとで安全を確保することをどう両立させるかを考え、新技術をより安全に社会へ導入するための方法論を研究していきます。

 

 

 

オフショット 研究者の素顔を紹介―

 

大学に入学した2000年代は、世界的に原子力への期待が高まり、原子力ルネッサンスと呼ばれる時代でした。その頃、原子力安全研究を志しました。学部を卒業する時期に東京電力福島第一原子力発電所事故が発災し、原子力をとりまく状況は一変しましたが、原子力安全を追求する思いを一層強くし、今に至ります。

 

 

 

関連URL

 

研究室ホームページ:https://www.takatalab-utokyo.org/

 

 ※所属・職位は取材当時のものです。