化学システム工学専攻 金子 昌平さん(D2)が日本動物実験代替法学会第38回大会 ESTIV賞を受賞されました

2025/11/14

2025年11月3日、化学システム工学専攻 酒井・西川研究室 金子 昌平さん(D2)が日本動物実験代替法学会第38回大会 ESTIV賞を受賞されました。

 

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日本動物実験代替法学会第38回大会 ESTIV賞 

European Society of Toxicology In Vitro (ESTIV)と日本動物実験代替法学会 (JSAAE)の相互国際交流促進を目的に設立された賞。ESTIV代表者が、ポスター発表のAbstractをもとに4名のファイナリストを選抜し、英語での口頭発表とその審査を経て2名の受賞者を決定しました。

 

受賞された研究内容・活動について

研究題目は「免疫細胞に着目した生理学的薬物動態(PBPK)モデルによるマイクロプラスチック人体影響予測」です。近年、化学物質のリスク評価においては、動物実験に依存した従来型の評価方法に対し、種差の問題や動物倫理の観点から、実験動物を用いない代替法の普及が求められています。その中で、細胞・組織を用いて生体外で実験を行う in vitro、コンピューターシミュレーションやバイオインフォマティクスを用いた in silico など、動物の倫理的使用に配慮した New Approach Methodologies(NAMs)、およびこれらを組み合わせて総合的にリスク評価を行う Next Generation Risk Assessment(NGRA) の活用が欧米を中心に進められています。昨今人体影響が懸念されているナノ・マイクロプラスチックについても例外ではなく、動物実験に頼らない新たな評価手法の確立が必要とされています。
本研究では、日常生活で生じる「低濃度」かつ「長期的」なナノ・マイクロプラスチックの曝露による人体影響について、臓器の体積・血流量・膜透過性などの実際の生理学的パラメータに基づいて、化学物質の体内での移動を常微分方程式で記述するPBPKモデルを構築し、臓器への蓄積量の予測とリスク評価を行いました。本研究は、NAMs・NGRAに基づく化学物質リスク評価の発展に寄与するとともに、ナノ・マイクロプラスチックに関する科学的理解の深化に貢献し得ると考えています。

 

今後の抱負・感想
いつも大変お世話になっている酒井  康行先生、西川  昌輝先生、勝田 毅先生をはじめ研究室の皆様に深く感謝いたします。受賞にあたり、ESTIVやJSAAEの皆様からいただいた温かいコメントを胸にこれからも精進して参ります。