酒井 崇匡 教授が 第21回日本学術振興会賞および日本学士院学術奨励賞 を受賞されました

2025/02/07

 

令和6年12月19日、バイオエンジニアリング専攻 酒井 崇匡 教授が 第21回日本学術振興会賞および日本学士院学術奨励賞 を受賞されました。令和7年2月4日(火)、日本学士院において授賞式が行われました。

 

日本学術振興会賞は、日本の学術研究の水準を世界のトップレベルにおいて発展させるため、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を早い段階から顕彰し、その研究意欲を高め、研究の発展を支援していくことを目的に創設されました。(https://www.jsps.go.jp/jsps-prize/gaiyo.htmlから改変引用)

 

日本学士院学術奨励賞の選考は、日本学術振興会賞受賞者を対象として行い、優れた研究成果をあげ、今後の活躍が特に期待される若手研究者 6名以内に授与することとしています。

https://www.japan-acad.go.jp/japanese/news/2025/011401.htmlから改変引用)

 

 

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受賞された研究・活動について

精密ゲル科学は、従来のゲル科学において前提とされてきた「ゲルの不均一性」という概念に疑問を投げかける新たな研究分野です。従来、ゲルの構造的不均一性が、物性評価や医療応用における課題として実用化の妨げとなっていました。

本研究では、テトラゲルの開発を通じて、ゲルの構造と物性との相関関係を詳細に解明し、従来のパラダイムに基づく理解を再検討するための新たな枠組みを提案しました。具体的には、ゲル弾性に内在する負のエネルギー弾性、浸透圧の普遍的状態方程式、ならびに希薄領域で観察されるゲル・ゲル相分離といった従来の枠組みでは説明困難な現象を発見しました。

さらに、基礎研究の成果を踏まえ、医療応用を視野に入れた非膨潤性ゲルの設計・開発にも成功しました。具体的には、人工硝子体、止血剤、癒着防止剤などの応用製品が検討され、大学発ベンチャーであるジェリクル株式会社を通じた社会実装に向けた取り組みが進行中です。

 

今後の抱負・感想

これまでの研究に携わっていただいた学生さん、共同研究者の皆様、研究室のスタッフに心から感謝申し上げます。これからも、ゲルという材料をさらにメジャーな材料にすべく、基礎から応用まで一貫した研究を続けたいと思います。

 

 

【関連Webサイト】

21回(令和6年度)日本学術振興会賞受賞者一覧:

https://www.jsps.go.jp/file/storage/j-jsps-prize/kettei/r6/21st_JSPSprize_list_jp.pdf

受賞理由https://www.jsps.go.jp/file/storage/j-jsps-prize/kettei/r6/21st_JSPSprize_reason_jp.pdf

 

日本学士院学術奨励賞の受賞者決定について:https://www.japan-acad.go.jp/japanese/news/2025/011401.html

日本学士院学術奨励賞 受賞理由:https://www.japan-acad.go.jp/japanese/news/2025/011401.html#005

 

酒井研究室HP:https://gel.tokyo/tetra-gel/

 

【関連ページ】

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