トピックス
- 受賞・表彰
- 受賞・学生
- 2024
システム創成学専攻 小笠原 光基さん(D1)、玄田 貴之さん(M2)、松波 亮佑さん(M2)、森 駿介さん(M2) が日本地質学会第131年学術大会において学生優秀発表賞を受賞されました
2024年9月25日、システム創成学専攻 加藤・中村・安川研究室の小笠原 光基さん(D1)、玄田 貴之さん(M2)、松波 亮佑さん(M2)、森 駿介さん(M2) が日本地質学会第131年学術大会において学生優秀発表賞を受賞されました。
左から小笠原さん、森さん、玄田さん、松波さん
日本地質学会第131年学術大会 学生優秀発表賞
日本地質学会が主催する学術大会における、優れた学生会員の発表に対して授与されるものです。
受賞された研究内容・活動について
【小笠原 光基さん】
・タイトル:「Re-Os放射年代、U-Pb放射年代およびPb同位体組成に基づく兵庫県明延多金属鉱床のCu-Zn脈とSn-W脈の形成プロセス」
・概要:持続可能な社会を形成するため金属資源の供給は重要で、その大部分は陸上の鉱山から供給されています。今後より多くの鉱山を発見し金属資源の供給量を増加させるには、鉱床の形成メカニズムを解明し有望な探査指針を打ち立てることが重要です。受賞研究ではRe-Os、 U-Pb、U-Th-Pbの放射壊変系列を用いて兵庫県明延鉱床の形成年代や金属の起源情報から鉱床を形成したマグマ活動を推定し、鉱床の形成メカニズムを提案しました。
【玄田 貴之さん】
・タイトル:「深層学習を用いたAUV MBESデータからの海底熱水シグナルの高精度検出手法の開発」
・概要:マルチビーム音響測深機 (MBES) による音響探査データから海底の熱水活動を自動検出する手法を研究しています。MBESデータは、熱水活動を示すシグナルの含有率が極めて低いため、従来の自動検出手法では偽陽性が多発する問題がありました。そこで本研究では、物体検出モデルの出力にシンプルな時系列解析を組み合わせた手法と新たな評価指標を提案し評価実験を行いました。その結果、偽陽性の発生を大幅に抑制することに成功し、また本手法が実際の熱水探査にも有効である可能性も示されました。
【松波 亮佑さん】
・タイトル:「海洋-堆積物間のNd質量収支モデルに基づくレアアース泥生成の支配因子の検討:高品位レアアース泥の成因に対する示唆」
・概要:海洋および堆積物におけるNdの質量収支に着目したボックスモデルを構築し、どのような条件でレアアース泥が生成されるのか検討を行いました。今回の発表では、特に高品位なレアアース泥の生成に大きく寄与すると考えられている生物源リン酸カルシウムの効果について議論を行いました。
【森 駿介さん】
・タイトル:「化学浸出と酸化還元反応の効率化による海底堆積物中の海水由来Os同位体分析手法の改良」
・概要:深海堆積物は、地球表層における環境変動や物質循環の記録媒体として重要であるとともに、産業上必要不可欠なレアアースを濃集している資源としても期待を集めています。堆積年代を明らかにすることは、古気候・古海洋環境の復元や、効率的な資源探査に向けたレアアース農集機構の解明に繋がり、そのための年代推定手法の1つとして、オスミウム (Os) 同位体比層序に基づく年代決定法があります。本研究では、正確で簡便な分析手法の確立を目指して、特にOs抽出・酸化手法の2点に注目して実験を実施しました。その結果、塩酸を用いた化学浸出法によって従来手法よりも砕屑性成分による影響を低減でき、海水起源のOs同位体比をさらに正確に測定できることを明らかにしました。また、テフロンバイアルを用いたOs酸化においては、堆積物中Osと標準溶液中Osで酸化還元反応が異なることが示唆され、最適な酸化に向けた更なる条件の検討の必要性を確認しました。
今後の抱負・感想
【小笠原 光基さん】
本賞の受賞にあたり、加藤先生をはじめとした同研究室の皆様や、研究にご協力していただいた兵庫県養父市の皆様、分析を実施させていただいている千葉工業大学の皆様、日頃から支援をいただいている服部国際奨学財団などに深く感謝いたします。今後はまず、この研究の成果を国際論文に投稿することを目標に、皆様にいち早く良い報告ができるよう邁進してまいります。
【玄田 貴之さん】
このような栄誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。指導教員の中村先生をはじめ、研究を指導してくださった先生方、共同研究者の皆様、及びサポートいただいた研究室の皆様に心から感謝いたします。今回の受賞を励みに、手法のさらなる高精度化や実用化に向けて全力で取り組んでまいります。
【松波 亮佑さん】
このような栄誉ある賞をいただき大変光栄に思います。安川先生、中村先生、加藤先生をはじめ、サポートをいただいた方々に深く感謝申し上げます。新たな成果をあげられるよう今後も研究活動に精進してまいります。
【森 駿介さん】
本賞の受賞にあたり、大田先生、安川先生、中村先生、加藤先生をはじめ、研究にご支援やご助言をいただいた皆様に深く感謝申し上げます。このような栄誉ある賞を受賞できましたことを大変誇りに思います。今後はより一層研究に励み、社会に貢献できる成果を生み出せるよう努力してまいります。