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電気系工学専攻 金田(髙田)真悟さん(D3:研究当時)が第37回独創性を拓く先端技術大賞(最優秀賞)文部科学大臣賞を受賞されました
2024年6月14日、電気系工学専攻 大矢研究室 金田(髙田)真悟さん(D3:研究当時)が、第37回独創性を拓く先端技術大賞(最優秀賞)文部科学大臣賞を受賞され、7月23日に授賞式が行われました。
第37回独創性を拓く先端技術大賞(最優秀賞)文部科学大臣賞
産経新聞社が主催し、文部科学省、経済産業省、フジテレビジョン、ニッポン放送、特別協力・アカリクが後援する優れた研究成果をあげた理工系の学生や企業の若手研究者らを表彰するものです。
受賞された研究・活動について
題目:酸化物単結晶ヘテロ界面を用いた超高効率スピン流-電流変換
現代の情報技術社会では、情報量の急速な増加が情報処理デバイスやメモリの消費電力を増大させ、これが大きな課題となっています。この問題を解決するために、電子のスピン(電子の磁石としての性質)を用いたスピントロニクス技術の研究が活発に進められています。スピントロニクスデバイスは、(磁石)の磁化の向き(NSの向き)を利用してデータの"0"と"1"を記録します。この方式では、電源がオフでもデータを保持でき、消費電力の削減が期待されています。特に注目されているのは、電子のスピン流と電流の相互変換現象「スピン流-電流相互変換」を利用したデバイスで、この変換の効率が高ければ高いほど、デバイスの低消費電力化が可能です。本研究では、ペロブスカイト酸化物LaTiO3+δ/SrTiO3界面に形成される二次元電子ガスを用いて、これまでの様々な材料系で達成された中で最も高いスピン流-電流変換効率を実現しました。また、理論計算により高いスピン流-電流変換効率を得るための材料設計指針を示しました。さらに、超低消費電力メモリの実現に向けた強磁性体および新規物理現象の探索を行い、デバイスの実現に向けた新たな指針を示すことができました。
今後の抱負・感想
このたび、「第37回 独創性を拓く 先端技術大賞」において文部科学大臣賞を受賞することができ、大変光栄に思います。この名誉ある賞をいただけたのは、指導教員である大矢 忍教授、共同研究者である田中 雅明教授、そして数多くの共同研究者の皆様の絶え間ないサポートとご協力のおかげです。心から感謝の意を表します。コロナ禍という未曾有の困難な状況下での研究活動には、多くの制約や挑戦がありましたが、その中で多くの方々の支えがあったからこそ、このような素晴らしい成果を得ることができました。皆様の励ましと協力が私の研究の推進力となり、大きな力となりました。この賞を励みに、今後も引き続き研究に邁進し、その成果を社会に還元できるよう努めてまいります。私たちの研究が未来を拓く一助となることを願い、さらなる技術革新を目指して精進していきます。
第37回(2024年度)独創性を拓く 先端技術大賞 受賞者:https://www.sankei-award.jp/sentan/jusyou/
第37回独創性を拓く先端技術大賞 授賞式:https://www.sankei-award.jp/sentan/news/20240723.html