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化学システム工学専攻 日高 海さん(M2)が日本化学会第99春季年会優秀講演賞(産業)を受賞されました

 

化学システム工学専攻 日高 海さん(M2)が、日本化学会第99春季年会優秀講演賞(産業)を受賞されました。本賞は、産業に対する寄与が期待される基礎的または応用的な概念、アイディア、実験手法、実験結果などについての発表であり、発表者の研究に対する主体性や貢献度が優れ、かつ今後の研究活動の一層の発展の可能性を有すると期待されるものに対して表彰するものです。本年度は、申請のあった112件の中から7件が選出されました。

 

 

<受賞された研究 受賞された研究 ・活動について>
本研究では、従来石油資源由来であったエチレンやプロピレンなどの低級オレフィンを、非石油資源由来のメタノールから合成するMTO(Methanol-to-Olefins)反応において、特にプロピレンの生成機構について詳細に解析した。
解析手法として、定常状態同位体過渡応答法(SSITKA)を用いた。SSITKAがMTO反応に適用されるのは本研究が初であり、以下の結果が得られた。
   1. 12Cにより構成されたプロピレンと13Cにより構成されたプロピレンの同位体が非対称応答を示した。
   2. プロピレン骨格形成に優先順位があることを示した。
   3. 平均滞留時間に関する議論から、MTO反応において生成したプロピレンが反応物として再度反応系に組み込まれることを示した。

 

<今後の抱負・感想>
小倉教授、茂木助教のご指導のもと進めることができた研究で名誉ある賞を頂けたこと、光栄に思います。本研究はSSITKAをMTO反応に適用するさきがけとなる研究であり、SSITKAにより踏み込める領域は多分に残されています。本研究を足がかりとして、MTO反応機構についてさらなる知見が得られることを期待します。