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鈴木 宏正教授、大竹 豊准教授、長井 超慧助教が 第37回精密工学会技術賞を受賞されました

 

2017921日、精密工学専攻 鈴木 宏正教授、大竹 豊准教授、長井 超慧助教が第37回精密工学会技術賞を受賞されました。共同研究先の株式会社ゾディアック 堀田 淳氏、松川 光彦氏との共同受賞です。
本賞は、精密工学およびその関連分野における日本最大の学会である精密工学会から、精密工学分野で創造的業績をあげた研究者・技術者に対し、将来の発展を期待して贈られる栄誉ある賞です。

 

 

<受賞された研究・活動について>
業績題目:産業用XCT画像のための高精度部品セグメンテーション技術の開発及び実用化

 

XCTスキャンは物体を破壊することなくその内部形状情報を取得することができるため、産業応用においては、部品内部形状や組立状態の部品形状を計測できるという大きな特長がありますが、CT画像から部品形状を抽出するセグメンテーション処理は自動化が困難で膨大な手作業が必要であり、産業用XCTを用いたリバースエンジニアリングにおいて従来ボトルネックとなっていました。
本業績では、モース複体理論を導入して部品境界の高精度且つ階層的な抽出を実現するアルゴリズムを提案し、それを操作性の良いGUIと統合することで、部品のセグメンテーションを高効率・高精度で行うことを可能とする技術を産学連携で開発し、ソフトウェアを商品化しました。
実用化においては、協力企業各社において、本システムを製品開発プロセスに活用していただきました。既存ツールに比べ作業時間を数分の一程度まで低減することができ、リードタイム短縮などで大きな効果をあげることができました。これによりXCTの活用領域が拡大し、事業拡大も可能であることを示しました。

 

 

<今後の抱負・感想>
我々の開発したシステムが、製造業界におけるXCTスキャンの普及と活用の促進の一助になれば幸いです。しかし、産業用XCTスキャンの利用にはまだ解決すべき問題がたくさんあり、本システムで解決できるのはそのごく一部にすぎません。今回いただいた賞を励みに、今後も形状処理技術を通じて、高効率・高精度なものづくりに貢献し、社会に役立つテクノロジーの発信源となってゆく所存です。