工学系研究科及び各専攻における教育研究上の目的

工学系研究科の教育研究上の目的

工学を基盤として未踏分野の開拓や新たな技術革新に果敢に挑戦し、人類社会の持続と発展に貢献するとともに、科学技術に関する体系的な知識と工学的な思考方法を身につけ、多様性への理解と広い視野を持って社会的課題の解決を目指す実行力を持った人材を育成することを教育研究上の目的とする。

各専攻における教育研究上の目的

専攻名教育研究上の目的
社会基盤学本専攻は、交通、環境、都市、防災、景観、情報、エネルギーなどに関わる社会基盤の整備・運営において、設計・技術戦略、政策・計画の分野を、国・地域の歴史と自然、文化および国際的な視野から先導しうる有為な人材を育成し、また、社会基盤整備が国際社会や地域社会に及ぼす影響について深い洞察をめぐらせながら、社会基盤学のあり方について探求を続け、知識・技術の体系化と革新に資する高度な研究と、その社会・教育への還元を通し、わが国および世界の持続的な発展に貢献することを教育研究上の目的とする。
建築学建築学専攻は、科学的・工学的・技術的領域から、人文的・芸術的・社会的領域に至る広汎な分野の知識を統合し、新時代の成熟社会にふさわしい環境を形成してゆくための新しい学問体系の構築を目指すとともに、建築に係わる研究、開発、計画、設計、生産、経営、政策提案などを、責任を持って担うことのできる人材を育成し、新たな価値の創造と技術革新に繋がる研究へと世界的スケールで積極果敢に挑戦し、人類社会の持続と発展に貢献することを教育研究上の目的とする。
都市工学本専攻は、都市工学に関する体系的な知識とその応用技術を身につけ、都市計画、都市設計、都市交通計画、都市解析、都市環境工学、都市水システム、国際都市環境、都市マネジメントなどに関する専門家として活躍できる人材を育成し、地域の気候風土・社会文化の多様性を踏まえ、グローバルな視点から国土及び地域社会の健全な発展に貢献することを教育研究上の目的とする。
機械工学機械工学専攻は、機械工学の基礎である機械力学・材料力学・流体力学・熱力学の4力学に加え、それらの応用先である環境・エネルギー、バイオ・医療、設計・生産・システムまで、幅広い領域における研究と教育の推進を担っている。そして、これらの先端科学技術領域における基礎・基盤的学術分野から応用技術分野にわたる研究活動を通じた教育プログラムによって、安全で安心な社会と健康で豊かな生活の実現、そして世界の文明・文化の進歩に貢献する技術者や研究者を育成することを目的としている。
精密工学本専攻は、我が国の主要産業である製造業にとって重要な"製品(モノ)とモノづくりの情報化"に関わる精密工学分野において、精密測定・精密加工・メカトロニクスを基盤としたナノテクノロジーに代表される先端ハードウェアの創造と、IT技術の適用およびITインフラをベースにした、ライフサイクルとエコロジーを取り込んだ21世紀の価値創造を担う人材の育成と当該分野の発展に貢献することを教育研究上の目的とする。
システム創成学人間、人工物、自然を多面的、俯瞰的視点からとらえるシステム科学を基礎として専門領域に細分化された工学知を統合し、自然や社会と調和のとれた革新的システムの実現のための原理と方法論に関する研究教育を展開し、高い専門性と総合性を備えた人材を育成することにより、工学と人類社会の発展に寄与することを目的とする。
航空宇宙工学本専攻では、以下の3点を担うことのできる人材を育成し、人類社会の発展に貢献することを教育研究上の目的とする。すなわち技術・利用面で未成熟であり将来の発展の可能性が極めて大きい航空宇宙という世界のもつ顕在的・潜在的意義、可能性を追求し、人類の幸福のためにそれらを積極的に活用していくための研究/教育を行なうこと。極限的な性能や先端性が要求される航空宇宙という分野を対象にした研究/教育を行なうことにより、他の多分野にも応用できる先端的技術と知識、および新しい工学の創成を目指すこと。そして、多分野の工学および理学を統合し一つの目的を達成するシステムとして組み上げていく技術が特に強く要求されている特質をいかし、航空宇宙のミッションを題材にシステムインテグレーション及びその実践的研究/教育を行なうこと。
電気系工学電気系工学専攻は、エネルギー・環境・宇宙、ナノ物理・デバイス、情報・通信に関する学術を担当し、この分野に関わる諸課題および価値創成を広く視野 に入れ、世界をリードする先導的学術研究や社会・産業的課題に関する総合的研究を遂行することにより、研究成果や人材育成を通して、その活動成果を社会に還元することを目的とする。
物理工学物理工学専攻は、物理学の最先端を研究し、その成果を社会と産業に生かすことを目的とした専攻である。物理学の基礎をもち、新しい問題に挑戦する意欲のある人は、あらゆる分野で求められている。物理工学専攻は物理を基礎に、自ら考え、未踏の領域に挑戦し、世界をリードする人材を育てることを目的としている。
マテリアル工学技術社会発展の機軸となる構造物やデバイスに重要な役割を果たすマテリアルの進化のために新しいマテリアルを創製する"DESIGN OF MATERIALS"、新たなマテリアルを生み出す革新プロセスや環境に配慮したマテリアル生産プロセスを開発する"DESIGN FOR MATERIALS"、さらには、様々なマテリアルが構造物やデバイスとして機能するマテリアルシステムへと展開し、リサイクルなども視野に入れた技術を開発する"DESIGN WITH MATERIALS"の3つのコンセプトを三位一体で統合させ、人類の幸福を目指した技術社会の実現に貢献する人材を育成することを目的とする。
応用化学本専攻は、応用化学に関する幅広い基礎と高度な専門知識を身につけ、それを基盤として多岐の分野にわたる研究・開発を率先して展開する自立した人材を育成するとともに、世界をリードする最先端の研究を推進することを、教育研究上の目的とする。
化学システム工学本専攻においては、分子から地球に至る各スケールでの化学現象の解析・制御と、それら構成要素のシステム化・設計に重点を置く、化学システム工学の方法論を身につけた化学技術者、研究者を育成する。同時に、この方法論を用いて、環境、エネルギー、安全・安心などの課題解決に向けた研究を推進し、持続可能な環境調和型社会構築に貢献する。以上を本専攻の教育研究上の目的とする。
化学生命工学本専攻は、有機化学、高分子化学、生物科学、分子生物学など化学から生命にわたる広い学問領域を専門とすることで、化学および生命の融合領域において新しい化学・生命科学を創造できる人材を育成し、生物に習いながら優れた化学反応を創成し、一方、化学を用いて生命現象の解明および生命系の改変に取組み、これらを社会に大きく貢献できるテクノロジーへと発展させることを教育研究上の目的とする。
先端学際工学先端学際工学専攻は、先端的科学技術に関する萌芽的・先導的な基礎/応用研究、および、そのような研究そのものに関する研究(Research on Research)について、教育・研究指導を行う。更に、従来型の大学院教育に加えて、社会人に対する再教育としての大学院教育も行っていることを特徴としている。このような大学院教育/研究を通して、先端科学技術分野に関する独創的・創造的な研究者のみならず、広い視野に立つ先進的・国際的な研究者、経営管理者、さらには先端的・学際的な政策立案者の養成を図ることを目的としている。
原子力国際本専攻は、先進原子力エネルギー工学、原子力社会工学、先進レーザー・ビーム科学と医学物理の3つの重要分野において、体系的な知識と思考方法を身につけ、学術とその活用に係わる研究・開発・計画・設計・生産・経営・政策提案などを、国際的な視点から責任を持って担うことのできる人材を育成するとともに、未踏分野の開拓や新たな技術革新に繋がる研究へと果敢に挑戦し、人類社会の持続と発展に貢献することを教育研究上の目的とする。
バイオエンジニアリング持続的発展を希求し、少子高齢化が進む社会における人類の健康と福祉に資するために、既存のディシプリンである機械・電気・物理・化学・マテリアルなどの工学分野に立脚し、サイエンスから現実の世界である健康・医療・福祉、創薬、環境、エネルギー、食品、ナノ・バイオテクノロジー、安心・安全、情報などの分野への橋渡しをするバイオエンジニアリングの方法論を構築する。それらの教育・研究を通じてバイオエンジニアリングの戦略的研究開発の中核を担う人材を育成する。
技術経営戦略学本専攻は、科学技術と経営・経済を融合した教育研究により、先端的な科学技術に対する幅広い理解力と経営学、経済学に関する素養を身につけ、両者を戦略的に統合することによって産業界と工学の分野で戦略的な構想力を発揮できる中核的リーダーを育成し、多面的視点から科学技術を活用した新産業イノベーションの創出と持続可能な産業社会の実現に貢献することを教育研究上の目的とする。
原子力専攻本専攻は、高度な専門性が求められる原子力施設の安全運転・維持管理や、その監督・指導を行うための深い学識及び卓越した能力を培い、原子力産業や安全規制行政機関、原子力関係の研究開発機関等で指導的役割を果たす高度な原子力専門家の養成を行うとともに、先進原子力エネルギー、原子力社会工学、先進レーザー・ビーム科学と医学物理等の研究を遂行することを目的とする。

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