東京大学とNUMO、初の社会連携講座を10月に開設 ―AIで地層処分の長期安全評価を高度化し、次世代人材を育成―

2026/09/08

東京大学大学院工学系研究科(以下「東京大学」)と原子力発電環境整備機構(以下「NUMO」)は、高レベル放射性廃棄物の地層処分における安全評価技術の高度化と専門人材の育成を目的として、初の社会連携講座「地層処分AI・マルチフィジックス連携」を、2026年10月1日に東京大学大学院工学系研究科に開設することで合意し、本日、社会連携講座設置兼共同研究契約を締結しました。数万年以上に及ぶ長期の安全評価の信頼性を高めていくため、本講座では、①AI・機械学習による計算・データ解析の高速化、②解析コードの比較検討を行う開かれた場の構築、③将来を担う人材の育成に取り組みます。

 

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本講座が目指すもの

高レベル放射性廃棄物の地層処分では、地下深部における地下水の流れ、熱、化学反応など、互いに影響し合う複数の現象を解析する手法(マルチフィジックス解析)を用いて、長期にわたる安全性を評価する必要があります。評価モデルが高度になるほど計算量や扱うデータは増大しますが、これを克服することでより詳細な評価や、条件を変えた多数の解析に基づく処分場設計の最適化の効率的な実施が可能となります。

本講座では、AIや機械学習によって計算・データ解析を高速化し、専門家がより多くの条件や結果を比較・検証できるようにすることで安全評価を高度化します。あわせて、この技術基盤を土台に、業界の枠を超えた研究・人材育成の拠点となることを目指します。

 

学術的意義と研究体制

東京大学は、本社会連携講座(担当:大学院工学系研究科 原子力専攻 斉藤拓巳 教授)を通じて、AIを活用したビッグデータの解析技術・統合化技術など、最先端の学術的アプローチを地層処分の安全評価に応用します。本講座には特任助教として、米国サンディア国立研究所(SNL:Sandia National Laboratories)で地層処分場の安全評価へのAIモデルの活用研究を主導した計算科学者であるHeeho D. Park氏を招聘し、国際的にトップレベルの知見を取り入れた研究環境を構築します。さらに、Park氏を中心に、AIを用いた解析手法の高度化と検証を進めます。

 

事業的意義と期待

NUMOは、本講座の中核的な取組みとして、他大学・民間企業・研究機関等の専門家が参加する解析コードの比較検討会を定期的に開催します。専門家とともに解析コードに関する情報や解析結果を持ち寄り、開かれた形で議論することを通じて、NUMOは安全評価の信頼性を高め、将来の処分場の設計の最適化に必要な技術力の強化につなげます。

こうした取組みは、地層処分の安全評価を担う研究者・技術者の育成にとどまらず、幅広い国内企業や学生に最先端の解析へ関わる機会を提供し、事業を支える専門企業・人材の裾野を大きく広げることにつながります。

また、地層処分の安全性を多角的かつ透明性の高い形で検証できる体制を整えることは、事業に対する社会の信頼の確保にも資するものと考えています。

 

講座概要

項目

内容

講座名

地層処分AI・マルチフィジックス連携

設置先

東京大学 大学院工学系研究科

担当教員

原子力専攻 斉藤拓巳 教授

開設日

2026年10月1日(木)

期間

3年間(2026年10月1日~2029年9月30日)

主な取組み

AIを用いた計算・データ解析の高速化、解析コードの比較・検討、人材育成

特設ページ

https://park.itc.u-tokyo.ac.jp/saitolab/AIM-GD/

 

 

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