プレスリリース

東京大学と京セラが社会連携講座を開設:環境・エネルギー分野や、情報通信分野で革新的な技術の共同研究を開始

 

このたび、国立大学法人東京大学大学院工学系研究科(研究科長:加藤 泰浩、以下 東京大学)と京セラ株式会社(代表取締役社長:谷本 秀夫、以下 京セラ)は、社会連携講座を2023年4月1日(土)に開設しましたのでお知らせします。

今回、第一弾の取り組みとして、環境・エネルギー分野で「カーボンニュートラル実現に資する革新的なエネルギーデバイスの開発とエネルギーシステムの設計・実装に関する研究」、情報通信分野で「Beyond5G/6Gに向けたネットワークスライシング1の高度化の研究」の2つの社会連携講座を開講します。

 

■社会連携講座について

社会連携講座とは、公共性の高い共通の課題について、大学と民間企業または研究機関などの学外機関が、それぞれの技術・知見を活かして共同で研究を実施する制度です。

 

(1)環境・エネルギー分野

テーマ :「カーボンニュートラル実現に資する革新的なエネルギーデバイスの開発

とエネルギーシステムの設計・実装に関する研究」

 

研究内容:エネルギーの安定供給の維持、カーボンニュートラル、さらに地域経済の活性化を考慮したエネルギーシステムとデバイスを実現するための工学・経済学的手法の確立を目指します。さらに、これらを持続可能なエネルギー事業として社会実装することを目的に、エネルギーシステムおよびエネルギーデバイスを包括した技術開発に取り組みます。

 

(2)情報通信分野

テーマ :「Beyond5G/6Gに向けたネットワークスライシングの高度化の研究」

 

研究内容:Beyond5G/6Gに向けた新たなネットワークスライシングの標準化および社会実装を目指します。これにより、ネットワークの限られたリソースを効率的に活用することができ、通信品質の向上が期待されます。

 

 

■背景

両者は、2022年9月29日に共同研究統括マネジメント実施契約2を締結し、本契約の下、科学、技術、経済性、社会への波及効果などのさまざまな観点から革新的な共同研究への取り組みに向けて活動を行ってきました。現代社会はますます複雑化し、社会課題はより高度化しています。そのため、産学が連携を深めて互いの強みを活かし、社会課題を解決する技術や事業を創出し社会実装することが重要だと考えています。

東京大学では、包摂的で自由なより良い未来社会の創造を目指しています。学知の創出に努め、幅広い社会との協創を生み出すことにより、社会的・経済的な価値への変換に取り組んでいます。

京セラでは、これまでの事業活動を通じて培ってきたさまざまな技術を強みに、京セラグループのシナジーを高めながら、社会課題の解決に向けて「環境・エネルギー」、「情報通信」、「医療・ヘルスケア」、「モビリティ」の4つを重点市場と位置づけて事業に取り組んでいます。時代の変化に即応するスピード感を持ち、京セラグループの有する技術力と経営資源を活用してさらなる企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指しています。

今後さらに、医療・ヘルスケアなどのさまざまな分野における社会連携講座の開講を検討しています。

東京大学と京セラは、共創・協業を推進し、多様化する社会のニーズに応えるため、常に新たな価値の創造を目指してまいります。

 

※1:ネットワークスライシングとは、同じネットワークに接続するデバイス・アプリケーションを、求められる通信品質に応じて仮想的に独立に分割(Isolation)する技術です。

※2:共同研究統括マネジメント実施契約とは、共同研究統括マネジメントプログラムを実施するための契約です。共同研究統括マネジメントプログラムは革新的な共同研究テーマ創出のため、どのような社会連携講座を開講するのかなどを共同で協議するものです。

 

 

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