プレスリリース

基板を曲げたり引っ張ったりするだけで素子内の熱流方向を変えることに成功:物理工学専攻 太田進也(D3)、千葉大地准教授(研究当時)ら

 

大阪大学産業科学研究所の千葉大地教授(研究開始当時:東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻・准教授)は、東京大学大学院工学系研究科博士課程3年(兼 大阪大学産業科学研究所特別研究学生)の太田進也氏、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)の内田健一グループリーダー、豊田工業大学の粟野博之教授らのグループと共同で、数~十数ナノメートル厚の金属磁性体薄膜に電流を流した際に発生する熱流の方向を、ひずみを加えることによって能動的に制御できることを実証しました(図1)。この新しい熱エネルギー制御機能は、磁性体における熱流と電流の変換に関する物理現象である「スピンカロリトロニクス現象」と、磁性体に加わるひずみによって磁気特性が変化する物理現象「磁気弾性現象」とを組み合わせることで実現されました。近年急速な進展を遂げているスピンカロリトロニクス分野に新たな方向性をもたらすと共に、エレクトロニクスデバイスの高効率化に資する熱マネジメント技術への将来展開が期待されます。
 本研究成果は、英国科学誌「Scientific Reports」に、9月13日(金)午後6時(日本時間)に公開されました。

 

 

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Scientific Reports : https://www.nature.com/articles/s41598-019-49567-2