プレスリリース

2016.01.06

治療用転写因子のメッセンジャーRNA(mRNA)送達による変形性関節症治療 - mRNA が変形性関節症治療の核酸医薬に -:バイオエンジニアリング専攻 大庭伸介 特任准教授、ハイラト アニ(Hailati Aini)特任研究員 等

胎児期に形成される軟骨の多くは、成長期まで骨格の成長を調節するほか、関節軟骨として、生涯にわたってわたしたちが運動する際に重要な役割を果たします。さまざまな原因によって、関節軟骨が変性や傷害を受けると、変形性関節症を引き起こします。変形性関節症患者は、膝関節だけで国内に2,530 万人以上いると推測されます。高齢化社会を迎えた現在、変形性関節症は高齢者の生活の質(QOL)を低下させ、健康寿命を脅かす代表的な疾患ですが、根治療法は開発されていません。
東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻のハイラト アニ(Hailati Aini)特任研究員、大庭伸介特任准教授、鄭雄一教授(医学系兼担)と医学系研究科附属疾患生命工学センターの位髙啓史特任准教授、片岡一則教授らの研究グループは、治療用転写因子のmRNAを関節内へ送達することで変形性関節症の進行を抑制できることを、動物モデルを用いて世界で初めて示しました。
本研究成果は、転写因子mRNA を、治療に必要な遺伝子の転写を特異的に調節する新しい核酸医薬として提唱し、運動器変性疾患治療における有効性を示唆するものです。運動器領域をはじめとした各種変性疾患に対する病態修飾療法や組織再生療法への応用が期待されます。本研究の内容は、2016 年1 月5 日に英国科学雑誌「Scientific Reports」にオンライン版で発表されます。

  

詳細はこちらをご覧ください。

Abstract URL : http://www.nature.com/articles/srep18743