プレスリリース

東京大学大学院工学系研究科における日亜化学寄付講座「光量子情報処理学」開設

 

東京大学大学院工学系研究科は、日亜化学工業株式会社のご寄付により、2019年4月1日に「光量子情報処理学」寄付講座を設置致します。

 

【背景】
次世代情報通信・情報処理技術として、量子コンピューターが世界中で精力的に研究されています。量子コンピューターは、1980年頃にリチャード・ファインマン博士から提唱されており、従来のコンピューターが持つ、微細加工、発熱、消費電量といった諸課題を解決できる唯一の方法と考えられています。東京大学大学院工学系研究科の古澤研究室では、量子テレポーションを用いた画期的な光量子コンピューター実現法を発明し、その実現に向けた研究開発を行っています。

【目的】
古典コンピューターの性能を越えた光量子コンピューター実現に向けた研究開発を目的とします。さらに、それを実践するプロフェッショナルを育成するため、光量子情報処理学を構築致します。

【期待される効果】
本研究で得られる成果により、光量子コンピューター実現が大きく近づき、具体的な開発ロードマップの作製が期待されます。また、日本独自方式の光量子コンピューターのコンセプトが固まれば、情報産業における我が国の国際競争力が高まり、さらに、日本人だけでなく留学生も含め、本成果により育成されたプロフェッショナルが世界の情報産業においても指導的な役割を果たし、国際貢献を図ることが期待されます。
日亜化学工業株式会社は、光量子情報処理分野のパイオニアである古澤明教授をリーダーとする寄付講座の開設に協力し、光量子コンピューター技術や光量子通信技術の発展を支援します。光産業にかかわる企業として、量子技術によって実現される新たな光の性質にも注目しており、今までにない研究テーマの発掘にも期待しています。

 

プレスリリース本文:PDFファイル

日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41986970U9A300C1000000/