若手研究者紹介:090
竹澤 浩気
准教授 応用化学専攻|藤田研究室

経歴
2015年 3月
東京大学 大学院工学系研究科応用化学専攻 博士課程修了 博士(工学)
2017年 3月
東京大学 大学院工学系研究科応用化学専攻 助教
2023年12月
東京大学 大学院工学系研究科応用化学専攻 特任講師
2025年 4月
東京大学 大学院工学系研究科応用化学専攻 特任准教授
2026年 4月
東京大学 大学院工学系研究科応用化学専攻 准教授
私は、ナノメートルサイズの「空間」を使って、分子の形や反応を「操る」研究をしています。分子の性質や反応性は、原子がどのようにつながっているかだけでなく、分子がどのような形をとっているかによっても大きく変化します。分子模型であれば、手でつかんでねじったり、折り曲げたりすることができます。しかし、実際の分子はあまりにも小さく、直接手で操作することはできません。
そこで私たちは、分子と同じくらい小さな中空構造を作り、その内部に分子を閉じ込めることで、周囲の「空間」によって分子を操作しています。例えば、分子を狭い空間の中でねじることで普段とは異なる反応性を引き出したり、細長い分子を折りたたむことで特定の反応だけを選択的に起こしたりすることができます。
また、このような空間は、分子を反応させるだけでなく、「見る」ためにも利用できます。複雑な天然物や医薬品を中空構造に取り込み、結晶化することで、X線を用いてその三次元構造を原子レベルで明らかにする研究(第二世代結晶スポンジ法)にも取り組んでいます。
ナノ空間を単なる容器ではなく、分子をねじる、折りたたむ、反応させる、そして観察するための道具として使うことで、分子を自在に操る新しい化学を開拓したいと考えています。

これまでは主に、空間に閉じ込めることで分子の構造や反応性を制御してきました。今後はこの分子レベルの「操作」を触媒反応や機能性材料など、マクロな機能化に使い、新しい材料合成や省エネルギーの化学プロセスに結びつけたいと考えています。
中学生の頃から将棋に夢中になり、現在は四段の免状を持っています。研究室の現役・OBメンバーと、ときどき将棋大会を開いています。盤面全体を見渡しながら、自分の構想をどう実現するかを考え抜くところには、どこか研究にも通じるものを感じています。

研究室ホームページ内個人ページ:
http://fujitalab.t.u-tokyo.ac.jp/member/58_index_detail.php
プレスリリース:
※所属・職位は取材当時のものです。