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学生インタビュー|尾藤 弓子さん(システム創成学専攻 修士1年)

 

 

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今回、Ttime!の学生インタビューに快く応じてくれたのは、工学系研究科 システム創成学専攻菅野研究室に所属の修士1年生の尾藤 弓子さんです。学業、課外活動などの話に始まり、最後にはご自身の将来の夢について話を伺うことができました。学際的な知識が活きるシステム創成学の学び・研究について深掘りしてきました。システム創成学科・専攻に興味のある方、必見です!

 

 

分野を横断した学びが切り拓く、社会シミュレーションの研究

 

 

――本日はよろしくお願いします。尾藤さんは学部からシステム創成学科に所属していますが、どうしてこの学科を選んだのですか?

進学選択以前は、どの学部に進学しようか悩みながら文理関係なく様々な授業を履修していました。その中でも、シミュレーションの授業と社会心理の授業が面白く感じました。

システム創成学科は社会シミュレーション、つまりプログラミングを使ってコンピュータ上で動くモデルを表現し、社会現象の理解や予測をするという研究に強みがあります。学際的で幅広く学びを深めたいという私の興味と、システム創成学科の研究テーマがマッチすると感じたため、進学を決意しました。

 

 

――なるほど。学部時代の中で印象に残った授業はありますか?

「プロジェクト」と呼ばれる、演習中心のシステム創成学科の必修授業です。

3年前期のプロジェクトではクイズアプリを作りました。初めて学ぶプログラミング言語や、締め切りまでに実現可能な「最善案」へとプロジェクトを修正する作業に悪戦苦闘しましたが、とても楽しかったです。これまでアプリを「使う」側だったのが「作る」側に回れたことで、「この機能があればより便利だな」などユーザ側の視点をアプリ制作に活かすことができて、新たな発見がありました。

 

 

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――演習の授業、面白そうですね。座学で興味を惹かれたものはありますか?

システム創成学科は履修の自由度が比較的高いです。私は決まったテーマに沿った履修によって、2つのプログラムを修了しました。1つが「数理・データサイエンス教育プログラム」です。統計、プログラミングの授業、機械学習など情報技術に関連する授業を履修することで認定されました。もう1つが「メディアコンテンツ教育プログラム」です。音声・画像・自然言語処理など、メディアに関する情報処理の授業から「創造性」の根源に迫る授業まで多岐にわたります。どちらも他学部・学科が開講している授業に出向くことが多かったです。文理学際的な授業を履修することができ、興味の幅が広がったような気がします。

 

 

――ちなみにサークルには所属していますか?

学部時代は空手サークルと着物サークルに所属していました。空手サークルでは型・組み手・武器術に取り組みました。大会では1日目に緊張して実力が発揮できなくても、反省を生かして諦めずに2日目に挑んだことで自己ベストを更新できました。このように空手を通して精神力が身につきました。今では黒帯二段を保持していて、瓦割り7枚の記録があります(笑)。

着物サークルでは着物を着て、庭園や寺社に出かける活動をしています。自分で着つけができるようになり、和洋折衷の新たな着こなしを考えるのが好きです。

 

――「和」にまつわるサークルに所属しているんですね。日本文化に詳しくなれそうで素敵!

 

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――どのような研究テーマを扱っているのですか?

私の所属する菅野研究室では「複数人でタスクをする際のコミュニケーションにおける、認知プロセス」がテーマの一つです。効率的な情報伝達ができる手法を構築することを目標としています。共同タスクに参加するメンバーがどのような情報を持っているのか、相手がどのような考えを持っているか、自分が他のメンバーにどう思われているかについての推測「相互信念」をモデル化し、発言回数などの指標でコミュニケーションの効率を評価します。今は先行研究の論文を読んで研究テーマを決めている途中です。認知プロセスやそれをモデル化する手法が研究によって異なるため、前提知識の理解に苦労することも多いですが、さまざまな認知プロセスの解釈に触れることが面白いと感じます。

 

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――将来のプランについて教えてください。

授業や卒論でアプリを開発した経験から、ITやプログラミングで問題を解決することにやりがいを感じました。今はIT系企業、特にSIer(システムインテグレータ)を第一志望に就活をしています。

 

 

――最後に後輩へメッセージをお願いします。

システム創成学科では物理・社会など様々な分野のシミュレーションを行います。必修が少なく他学部の授業も受講しやすいため、学問領域の垣根を超えて自由に幅広く学び、研究したい人はぜひシステム創成学科に進学して欲しいです。

工学は「人の役に立つものを作ること」を掲げる学問である、と私は思います。その研究対象は想像したよりも幅広いことに気づきました。もし進路を悩んでいるのなら色々な学問に触れてみてください。新しい発見・出会いがあるかもしれませんよ。

 

――ありがとうございました!

 

 

※このインタビューは工学部広報室TA Ttime!のメンバーによって企画編集されました。

TtimeOBOG_blue_取材・文責:石原 由貴
写真撮影:山田 江里子 辻 悠基