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南鳥島周辺海域における海底鉱物資源マンガンノジュールの調査結果を公開

 

日本財団(東京都港区、会長 笹川陽平)と東京大学大学院工学系研究科(研究科長/教授 加藤泰浩)は、20236月より、日本の排他的経済水域(南鳥島周辺海域)における海底鉱物資源(マンガンノジュール※1)の揚鉱※2実証試験及び社会実装に向けた検討を進めてきました。

この度、揚鉱実証試験の事前調査として、資源量や資源分布等の精密調査と環境影響評価に向けた基礎調査を、工学系研究科附属エネルギー・資源フロンティアセンターの中村謙太郎教授らの研究チームが、20244月下旬より47日間にわたって実施しました。その結果、約10000 km2にわたってマンガンノジュールが高密度で分布している開発有望海域を発見いたしました。EEZ全体のわずか2%の面積に相当するこのエリアだけで、約2.3億トン以上のマンガンノジュールが存在しており、日本の年間消費量の75年分以上のコバルト資源を見込めることが判明しました。


※1:マンガンノジュール:海底鉱物資源の一つで、電気自動車やスマートフォンなどのハイテク製品に使用されるレアメタルを含む鉱物を指す。
※2:揚鉱(ようこう):海底の鉱物資源を海上に引き上げること。


 

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調査結果を受け、2024621日(金)に、今回採取したマンガンノジュールの成分分析結果と今後の計画についての記者発表会を実施いたしました。発表会場では、絶滅した大型古代ザメ(メガロドン)の歯を核として成長した貴重なマンガンノジュールの実物も展示いたしました。今後、今回の調査航海の結果をもとにした揚鉱実証試験に向けた準備を進め、商用化を目指す産官学プラットフォームとしてコンソーシアム等の推進体制を構築していく計画です。

 


〈調査結果記者発表会の概要〉
・主催者挨拶:日本財団会長 笹川 陽平
・調査の意義について:東京大学大学院工学系研究科長/教授 加藤 泰浩
・事業概要・調査結果の説明:日本財団常務理事 海野 光行
 【発表資料】南鳥島周辺海域におけるマンガンノジュールに関する調査結果(PDF / 4MB)(日本財団HP)
・調査結果の詳細説明:東京大学大学院工学系研究科教授 中村 謙太郎
 【発表資料】調査結果の詳細説明(PDF / 5MB)(日本財団HP)


 

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左から日本財団・海野常務理事、笹川会長、東京大学・加藤教授、中村教授(提供:日本財団)

 

 

提供:日本財団