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都市工学専攻 浅見達也さんが第48回日本水環境学会年会においてクリタ賞を受賞されました

 

 都市工学専攻の浅見達也さんが、第48回日本水環境学会年会において、クリタ賞を受賞されました。この賞は日本水環境学会年会において口頭発表を行う修士課程在学の学生に対して与えられる賞です。講演要旨原稿による1次審査を経て、ポスター発表による2次審査で、優秀な発表をした学生が投票により受賞者に選ばれます。

 



<受賞された研究について>

水道水の消費に係るリスクの一つとして、病原微生物による下痢症等の感染リスクがあります。リスク要因となる病原微生物として細菌や原虫、ウイルスが挙げられますが、ウイルスに関しては水道水質基準による規制がなされておらず、何らかのリスク管理手法が構築される必要があります。また、リスク管理にあたっては、近年食品の衛生管理等の分野で重要視されているHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の考え方に基づき、水源から蛇口に至る過程にリスクの重要管理点を設けることが望ましいと考えられます。そこで本研究では、バンコク市の浄水場を調査対象とし、三ヶ月に渡ってリスク管理点としての浄水処理工程におけるウイルス除去効率の実測を行いました。技術上の困難からウイルス除去効率の実測例が非常に少ない中、本研究では大容量試料濃縮を用い、環境中に高濃度で存在するトウガラシ微斑ウイルス(PMMoV)を測定対象とすることによって、ウイルス除去効率の実測に成功しました。本研究の結果から、本研究の手法を用いたウイルスのリスク管理手法の構築が期待されます。

 

 

<今後の抱負・感想> 

片山浩之准教授、Chettiyappan Visvanathan教授、古米弘明教授、研究室の先輩方の助言、そして浄水場職員の方々の協力無くして今回の受賞に至ることはありませんでした。また、東京大学UEHASプログラム・アジア都市環境保健学際コンソーシアムによる留学機会が無ければタイでの長期調査を行うことはできませんでした。この場を借りて以上の皆様に深くお礼申し上げます。今回の受賞を励みに、来年度も研究に打ち込みたいと思います。