トピックス

化学生命工学専攻 穐近 慎一郎さん(D3)が第10回日本学術振興会育志賞を受賞されました

 

2020年01月28日、化学生命工学専攻 穐近 慎一郎さん(D3)が第10回(令和元年度)日本学術振興会育志賞を受賞されました。

 

日本学術振興会 育志賞は、上皇陛下の天皇御即位20年にあたり、社会的に厳しい経済環境の中で、勉学や研究に励んでいる若手研究者を支援・奨励するための事業の資として、平成21年に上皇陛下から御下賜金を賜り、このような陛下のお気持ちを受けて、将来、我が国の学術研究の発展に寄与することが期待される優秀な大学院博士後期課程学生を顕彰することで、その勉学及び研究意欲を高め、若手研究者の養成を図ることを目的に平成22年度に創設したものです。
(https://www.jsps.go.jp/j-ikushi-prize/gaiyo.htmlより引用)

 

 

<受賞された研究・活動について>
「mRNA の cap 構造における m6A 修飾酵素の同定および機能解析」
ゲノムDNAから転写されたmRNAは、様々な制御を受けることで成熟し、タンパク質へ翻訳される。近年の大規模シーケンス技術の発展に伴い、真核生物のmRNAにN6-メチルアデノシン(m6A)が大量に見出され、m6A修飾がRNAの代謝や正常な機能に重要であることが明らかになってきた。一般にm6AはmRNAの内部に存在しているが、脊椎動物ではmRNAのキャップ構造に続く1塩基目にもN6,2'-O-ジメチルアデノシン(m6Am)として存在する。このm6Am修飾の生合成や機能はほとんどわかっていなかった。本研究ではm6Am修飾のN6-メチル基を導入する酵素を同定し、CAPAMと命名した。CAPAMはmRNAの転写と共役してm6Am修飾を形成することが示唆され、m6Am修飾の生合成が解明された。またm6Am修飾の担う機能を探索し、mRNAの翻訳効率を促進する機能を持つことを示した。

 

<今後の抱負・感想>
この度は、このような賞をいただき大変光栄に思います。常日頃から研究のご指導を賜っている鈴木勉教授をはじめ、共著者の皆様ならびに研究室の皆様に深く感謝申し上げます。これを励みにより一層研究に邁進していきたいと思います。