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東京大学の三村秀和准教授と高輝度光科学研究センター(JASRI)の仙波泰徳主幹研究員、大橋治彦主席研究員らのグループは、複雑な形状を持つ高精度ミラーを用いて、リング状に集光されたX線ビームの形成に成功しました。
この研究では、はじめに、どのようなミラー形状であればX線がリング状に集光するかを検討しました。その結果、楕円形状と円錐形状が合体した複雑形状の表面を、X線が反射するとリング状に集光可能であることを理論的に明らかにしました。そして、超精密加工技術によりこの複雑形状を持つX線ミラー(注1)を作製しました。大型放射光施設SPring-8(注2)においてX線を作製したミラー表面で反射させた結果、理論通りにX線をリング状に集光可能であることを確認しました。
この成果は、ミラーの形状を工夫することでさまざまな形を持つX線ビームの形成が可能であることを示しています。X線ビームの形状制御における自由度拡大は、さまざまなX線分析機器の性能向上を通して最先端科学技術分野の発展に貢献します。
本成果は、2019年4月1日に米国科学技術雑誌のApplied Physics LettersにOnline版で掲載されました。
プレスリリース本文:PDFファイル
Applied Physics Letters : https://aip.scitation.org/doi/10.1063/1.5081837
Spring 8 :http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2019/190401/
日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP506604_R00C19A4000000/
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