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システム創成学専攻 金本啓さん(2019年度修士課程修了)らが執筆した論文が国際海運経済学会年次大会においてMaritime Economics&Logistics Best Conference Paper賞を受賞されました

 

2020年6月13日、システム創成学専攻柴崎研究室出身の金本啓さん(2019年度修士課程修了)他が執筆した論文が国際海運経済学会(International Association of Maritime Economists)年次大会においてMaritime Economics&Logistics Best Conference Paper賞を受賞されました。


<受賞した賞の名称と簡単な説明>
国際海運経済学会(International Association of Maritime Economists: IAME)は海運・海事・港湾に関する研究者、実務家、コンサルタント、行政担当者など約500名が参加する学会であり、今年の年次大会は香港科学技術大学がホストとなり、COVID-19感染拡大のため、オンラインにて6/10-13に開催され、約220件の発表がありました。最終日に、合計4件の学会賞の発表があり、柴崎研究室からエントリーした論文「Can Maritime Big Data be Applied to Shipping Industry Analysis? - Focusing on Commodities and Vessel Size of Dry Bulk Carriers」が、表記の賞を受賞しました。

<受賞された研究・活動について>
受賞論文は、筆頭著者である金本啓さんの昨年度の修士論文の内容を取りまとめたものであり、海事分野のビッグデータであるAISデータ(船舶動静データ)と港湾・バース情報から、全世界を対象に、鉄鉱石、石炭、穀物、肥料、鉄鋼の各ドライバルク貨物について、港湾レベルで貨物流動量を推計しました。さらに、これらの品目を対象として、船舶の船型選択モデルを構築し、品目によって船型選択に影響する要因(需要量、輸送距離、輸出港および輸入港の喫水制限、運河の通航制限など)が異なることを明らかにするとともに、船型別の将来輸送需要を予測しました。


<今後の抱負・感想>
AISデータは全世界の一定規模以上の船舶すべての動きを網羅したデータベースですが、搭載貨物に関する情報(積載量や品目など)は含まれないことから、今回,様々な情報からこれを推計したことが大きな成果と言えます。このような研究例は世界的に見てもあまり多くなく、当研究室の研究内容は先端的であると自負していましたが、今回の受賞でそれが客観的に示された形となり、嬉しく思っています。これからも研究室のメンバーでこの分野の研究を一層進めていきたいと考えています。(柴崎)

日本海事新聞 :https://www.jmd.co.jp/article.php?no=258236