プレスリリース

2015.09.22

パラジウムの磁力を電圧で制御できることが明らかに~非磁性体の物質を電気的に磁石にする手法に道~:物理工学専攻 千葉 大地准教授 等

今回、東京大学大学院工学系研究科の大日方絢 大学院生、同研究科 物理工学専攻の千葉大地 准教授、電力中央研究所・材料科学研究所の小野新平 主任研究員らの研究チームは、自然界に存在する状態では非磁性体の金属として知られる「パラジウム (元素記号:Pd)」に磁力を持たせ、その磁力の大きさを電圧を加えることによって制御できることを明らかにしました。パラジウムの薄膜にコバルト(元素記号:Co)の薄膜を隣接させることでパラジウム自身に磁力をもたせた構造を作製し、その磁力の大きさを正負の電圧でコントロールできることを示しました。

一度作った材料の性質を、電気的にチューニングできれば、必要なときに、必要な特性を簡便・自在に得られるようになるばかりでなく、磁気デバイスに使われる材料の幅がさらに拡がります。磁性を帯びる物質である磁性体を扱う分野では、一方の電極が磁石の薄膜であるキャパシタ構造(コンデンサ)に電圧を加え、磁石の薄膜中に電荷(電子)を充放電することで、その磁力のチューニングやN極とS極の向きを反転させる試みが盛んにされてきました。従来の熱・磁界・電流 で磁力を制御する手法よりも圧倒的な低消費電力で磁石の特性を制御できる期待があるからです。

これまで、磁性体の物質に電圧を加えて磁力を消すことが可能であることは報告されてきましたが、非磁性体の物質に電圧を加えて磁石化したり、非磁性体の状態に戻したりすることには成功していませんでした。今回の研究成果は、自然界では磁石として存在しない非磁性体の物質を、電気的に磁石化できる可能性に道を拓くものです。本成果は、2015年9月22日(英国時間)に、英国科学雑誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」のオンライン版に掲載されます。なお、本研究は科研費基盤研究(S)の助成を受けて実施されました。

 

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