プレスリリース

2017.02.27

静電によって濡れ挙動を制御 ~電圧を加えることにより固体表面のミクロ構造の影響が消失~:機械工学専攻 塩見淳一郎 准教授ら

固体の表面を液体が濡らしていく現象は、自然や産業のあらゆるところで見られます。従来、固体の濡れ広がる速さは、表面の濡れ性(静的接触角)によって決まるとされてきましたが、最近になって接触角が同等でも、表面のミクロ構造の粗さによって濡れ広がる速さが大きく低減させられることがわかっています。実際の表面にはこのような粗さや静電(電荷やポテンシャル)が存在するため、その影響を理解し、制御することが課題となっています。

東京大学工学系研究科の塩見淳一郎准教授とスウェーデン王立工科大学のアンベリグスタフ教授らの共同研究グループは、液体と固体表面の間に電圧を加えることで、粗さによって濡れの速度が遅くなる効果を消失できることを発見しました。平滑面とミクロ構造を施した表面上にそれぞれ液滴を滴下して高速度カメラで観察すると、通常の場合は液滴の形や濡れ広がる速さが大きく異なるのに対して、一定以上の電圧を加えると、全く変わらなくなることがわかりました。さらに、数値計算と組み合わせた解析によってその機構も明らかにしました。

今後、印刷や材料作製に使われるインクジェット技術や、光制御や生化学分析に使われるエレクトロウェッティング技術などの制御性、信頼性、再現性の向上に貢献することが期待されます。

 

 

プレスリリース本文: /shared/press/data/setnws_20170227100052377027777266_555755.pdf

Science Advances:http://advances.sciencemag.org/content/3/2/e1602202.full

日本経済新聞社:http://www.nikkei.com/article/DGXLRSP437619_U7A220C1000000/