プレスリリース

2015.12.03

細胞を傷つけずに培養細胞の酸素代謝を計測できる柔らかいシート型センサを開発:バイオエンジニアリング専攻 一木 隆範 准教授

東京大学大学院工学系研究科の一木隆範准教授らと株式会社ニコンの共同研究グループは、細胞の酸素代謝を、細胞を傷つけずに計測できる、柔らかい光学式シート型センサを世界で初めて開発しました。培養細胞や3次元組織切片に被せるだけで、細胞を傷つけずに、代謝活動によるわずかな酸素消費量を高感度に測定するのに成功しました。

医薬品や再生医療の研究では、使用する細胞の品質を評価する必要がありますが、従来の計測法では、細胞自体を傷つけてしまっていました。本研究グループは、培養シャーレ中で、細胞の代謝活性を細胞を傷つけずに計測でき、終了後には簡単に取り除ける、柔らかいシート型センサを開発しました。

本センサは、柔らかな透明ポリマーシートの表面に、マイクロチャンバーと呼ばれる髪の毛の太さほどの小さなへこみがたくさん形成されており、その中に酸素濃度によって発光応答が変わるリン光発光性金属錯体(さくたい)のセンサを備えています。このシートを培養細胞や生体組織に載せ、自動光学計測システムと組み合わせて使うことにより、1分間に100箇所の自動計測が行え、がん細胞や脳組織中の神経細胞の酸素代謝を計測することに成功しました。

このセンサシートは、大量生産が可能で、医薬品開発や再生医療用に使う細胞の品質管理技術への応用が期待されます。

 

 

本研究で開発した、細胞や組織切片に貼ってはがせる柔らかいシート型センサ
(a)センサシート表面には無数のマイクロチャンバーが形成してあります。
(b)作製されたシート型センサの顕微鏡写真から、赤く光るリン光発光性金属錯体(さくたい)を含むセンサ層が、マイクロチャンバーの底面のみに形成されていることが確認できます。
(c)シート型センサの断面写真です。きれいなマイクロチャンバー形状が形成されています。底面にはセンサ層があり、その周囲はガスバリア層で覆われています。

 

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Abstract URL: http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0143774

 

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