若手研究者紹介: 江草 大佑 講師

2026/09/29
若手研究者紹介:092
江草 大佑

講師 マテリアル工学専攻|阿部・江草研究室

 

 

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経歴

2009年 3月 
東京大学工学部マテリアル工学科 卒業 
2011年 3月
東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻 修士課程修了
2014年 3月
同 博士課程修了、博士(工学)
2011年 4月-2014年 3月
日本学術振興会特別研究員(DC1)
2014年 4月-2017年 9月
株式会社UACJ 研究員
2017年 10月-2025年 6月
東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻 助教
2025年 7月-現在
同 講師

 

 

研究について

 

私たちの身の回りで使われる金属材料は、一見すると均一に見えます。しかし、原子の並びを詳しく観察すると、ごく小さな領域に、原子配列の乱れや特定元素の偏り、結晶の向きの変化などが見つかります。私は、こうした原子スケールの「わずかな不均一性」が、材料の強さや変形の仕方をどのように決めるのかを研究しています。


研究室では、電子顕微鏡を使って、こうした微細な構造を原子レベルで直接観察しています。さらに、機械学習を含むデータ科学や理論計算を組み合わせることで、実験だけでは捉えにくい原子の動きや、組織が形づくられる過程まで理解しようとしています。具体的には、硬い層と柔らかい層が交互に重なる「ミルフィーユ型構造」や、複数の元素が複雑に混ざり合う高エントロピー合金(HEA)に生じる特徴的なセル組織、結晶の向きによって変わる特有の変形などを調べ、軽くて強い材料につながる仕組みを明らかにしています。


この研究の面白さは、材料の中に埋もれたごく小さな構造が、目に見える大きさの部材の性能を左右している点にあります。その仕組みを理解し、制御できれば、自動車や航空機などの軽量化や省エネルギー化、高温でも長く使える材料の開発につながります。原子レベルで得た理解を、軽く、強く、長く使える材料の設計へつなげることを目指しています。

 

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今後の展望・抱負

 

今後は、電子顕微鏡による観察、原子シミュレーション、機械学習をより緊密に結びつけ、材料内部の不均一性が生まれ、変化し、材料の特性として現れるまでを連続的に理解したいと考えています。特に、実験で得られる限られたデータから次に確かめるべき現象を見いだし、再び実験で検証する循環をつくることで、材料研究をより効率的かつ発見的なものにしたいです。
原子スケールで得られた理解を実際の材料設計へ橋渡しし、軽く、強く、長く使える材料を生み出すための新しい研究の枠組みを構築することが目標です。

 

 

オフショット ―研究者の素顔を紹介―

 

研究室では、学生と一緒に「この結果のどこが面白いのか」を考え、言葉にする時間を大切にしています。専門的な研究でも、自分が面白いと感じた点を率直に共有することが、新しい発見や分野を越えた対話の出発点になると思っています。


研究室の外では、夏は海釣り、冬はスキーに出かけることが多く、季節ごとに自然の中で過ごす時間を楽しんでいます。

 

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関連URL

 

阿部・江草研究室:https://park.itc.u-tokyo.ac.jp/nanostructures/
researchmap:https://researchmap.jp/exa

研究成果(プレスリリース):ハイエントロピー合金をより強化する新たなセル界面構造の発見 ―3Dプリンティング材料設計の新展開―

 

 

 ※所属・職位は取材当時のものです。