南出 将志 特任准教授が第7回宇宙開発利用大賞 選考委員会特別賞を受賞されました

2026/04/01

2026年3月17日、社会基盤学専攻 南出 将志 特任准教授が第7回宇宙開発利用大賞 選考委員会特別賞を受賞されました。

 

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授賞式の様子

 

第7回宇宙開発利用大賞 選考委員会特別賞

第7回宇宙開発利用大賞は、宇宙技術の社会実装や産業・防災・科学への応用において顕著な成果を挙げた取り組みを表彰するものであり、内閣府が主催する我が国の宇宙利用分野における代表的な表彰制度です。本賞のうち選考委員会特別賞は、既存の枠組みにとらわれない独創的・先駆的な取り組みに対して授与されます。

 

受賞された研究内容・活動について 

受賞タイトル:「静止軌道気象衛星の全天候同化が拓く台風予測の新フロンティア」
本成果は、これまでに開発してきた静止軌道気象衛星の全天候データ同化手法を基盤として、大規模な数値実験を通じてその有効性を体系的に検証し、台風予測の精度向上を実証したものです。
台風の発生や急速な発達は大気のカオス的性質により予測が難しく、特に海上で発達する初期段階では観測情報の不足が大きな課題となっていました。本研究では、雲の影響を統計的に補正しながら衛星データを安定的に同化する手法を確立するとともに、それを実際の予測問題に適用することで、従来は十分に活用されてこなかった雲域の観測情報を有効な資源として位置づけ直しました。通年にわたる検証の結果、台風強度予測の平均誤差を約20%低減し、急速な発達の兆候をより早期に把握できることを示しました。
これにより、開発された手法が実運用においても安定的に性能向上をもたらし得ることが示され、現業の気象予報への応用に向けた実用的可能性が大きく前進した。学術的先見性に加え、極端気象の予測精度向上を通じて防災対応の高度化や社会の減災に資する点が高く評価されました。

 

今後の抱負・感想

博士課程の頃より継続的に取り組んできた「全天候」衛星データ同化による極端気象予測に関する一連の研究をご評価いただきました。その中でも特に、これまで開発してきた手法を実際の天気予報に近い条件で適用し、その有効性を実証した点で、学術的成果を実社会へと接続するための重要な一歩を示すことができたと考えております。
私自身、学生時代にボランティア活動などを通じて水災害の現場に触れてきた経験があり、こうした被害を少しでも減らしたいという思いが研究の原点となっています。今回の受賞は、そのような問題意識に基づき積み重ねてきた研究が社会的意義の観点から評価されたものと受け止めており、大変光栄に存じます。
今後も、極端気象の予測精度向上を通じて、防災・減災の新たなあり方の構築に貢献できるよう、研究に取り組んでまいります。
また、本成果は国内外の多くの研究者や研究室スタッフとの共同により実現したものであり、この場を借りて深く感謝申し上げます。

 

 

第7回宇宙開発利用大賞 選考委員会特別賞