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2026年3月19日、化学システム工学専攻 Sathirakul Korbboonさん(M2)が化学工学会第91年会 優秀学生賞を受賞されました。

化学工学会第91年会 優秀学生賞
ポスター発表において、学生による発表のうち、研究面および発表者について産学官の審査員が総合的に評価したうえで、その得点等を考慮し、上位12%以内の学生に授与される賞です。
受賞された研究内容・活動について
近年、がんや自己免疫疾患などの重篤な疾患の治療に用いられるモノクローナル抗体(mAb)の需要が急速に拡大しています。mAbの骨格に糖鎖が付加されるグリコシル化は、有効性と安全性に影響する重要品質特性であり、生産性と品質の両立が求められます。候補細胞株の増加に伴い、効率的な初期評価とプロセス設計が重要となっています。ウェルプレート実験は条件スクリーニングには用いられているものの、初期段階のモデル駆動型プロセス設計には十分に活用されていませんでした。
そこで本研究では、少量のスケールダウン実験データを効率的に活用し、重要プロセスパラメータ(CPP)と糖鎖プロファイルを結びつける数理モデルを構築しました。構築したモデルにより、多様な培養条件下での細胞培養ダイナミクスと糖鎖比率を良好に再現し、主要なCPPの特定、生産性と品質のトレードオフの定量化、およびモデル駆動型デザインスペースの決定を実現しました。本成果は、糖鎖品質を考慮したより効率的なmAb培養プロセスの設計に貢献することが期待され、今後は本モデルのスケールアップへの展開を通じて、初期設計と実製造をつなぐことを目指します。
今後の抱負・感想
杉山 弘和 先生をはじめとする研究室メンバー、ならびに工学系研究科バイオエンジニアリング専攻 津本 浩平 教授、医学系研究科衛生学教室 石川 俊平 教授、千代田化工建設株式会社 田口 智将 様をはじめとする共同研究者の皆様のご指導・ご支援により、本研究を進めることができました。この賞を励みとして、今後さらに研究を発展させていきたいと思います。
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