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上西 康平 特任研究員が 2023年度計測自動制御学会 学術奨励賞 研究奨励賞 を受賞されました

 

2024年3月18日、人工物工学研究センター 上西 康平 特任研究員が 2023年度計測自動制御学会 学術奨励賞 研究奨励賞 を受賞されました。

 

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2023年度計測自動制御学会 学術奨励賞 研究奨励賞
本賞は、計測自動制御学会(部会、支部も含む)が主催する講演会・シンポジウム等の研究発表会において、優れた内容の研究報告を行った登壇者に対して贈呈されます。

受賞された研究・活動について
上西 康平, 江藤 人拓, 千葉 龍介, 高草木 薫, 太田 順. (2023).
抽出する筋肉の数が筋シナジー解析結果に与える影響:筋骨格シミュレーション結果を用いた調査.

第35回自律分散システム・シンポジウム資料, (pp. 7-10), 大阪, 2023年1月22日~23日.


ヒトの動作は、多くの筋の協調により実現されます。これらの筋活動は「筋シナジー」と呼ばれる、少数のパターンによって説明できることが知られています。しかし、筋シナジー解析の際に、対象とする筋の種類・数については、明確な指針がありません。そこで我々は、歩行の筋骨格シミュレーションから得られたデータを用いて、全ての筋を対象とした筋シナジー解析と、選択される筋の数を段階的に減らしていく解析を行い、得られたパターン同士を比較しました。その結果、対象とする筋の数が少なくなると、全ての筋を対象とした場合とのパターンの類似度が、大きく低下しうることが明らかになりました。これは、筋シナジー解析によるパターンの絞り込みが有効に機能していても、筋の活動全体の特徴を捉えられない場合があることを示しています。したがって、どの筋を解析に含めるかを慎重に検討することが、筋シナジー解析を行う上で重要であると言えます。

今後の抱負・感想
このたび、受賞できたことを心から光栄に思います。この栄誉は、太田教授をはじめとする先生方のご指導と、研究を支えてくださった全ての方々の支援があってのことです。心より深く感謝申し上げます。筋シナジー解析をはじめとした手法を用いて、人間の運動のさらなる理解と応用の幅を広げていく所存です。この受賞を契機に、より一層の研究活動への励みとし、科学の進展に寄与できるよう尽力して参ります。

 

 

公益社団法人 計測自動制御学会 学会賞受賞者一覧:https://www.sice.jp/act/awards/