トピックス

山平 真也 特任研究員が 日本化学会第96春季年会において優秀講演賞(学術)を受賞されました

 

2016年5月19日、化学生命工学専攻 山平 真也 特任研究員が、日本化学会第96春季年会において優秀講演賞(学術)を受賞されました。発表内容、プレゼンテーション、質疑応答などにおいて優れた講演で、講演者の今後の一層の研究活動発展の可能性を有すると期待されるものに対して「優秀講演賞(学術)」が贈呈されます。 

 

 

<受賞された研究・活動について>
複数の細胞種や細胞集団を、それぞれ望みの位置に配置する技術は、多種類の細胞が配置されたアッセイ用チップの作製や、多種細胞によって機能化された再生医療用・モデル研究用組織の構築において、非常に強力なツールとなります。そこで本研究では、光照射によって初めてPEG脂質の細胞固定化機能が活性化する「Turn on 型(ケージド)PEG脂質」を開発しました。このPEG脂質は、分子内脂質と細胞膜の相互作用を、余剰の脂質(光分解性)で一時的に不活性化する新奇なデザインで合成され、脂質-細胞膜間の相互作用をケージングした世界で初めての分子です。この分子を修飾した基板上に、パターン光照射と細胞播種・洗浄を繰り返すことによって、複数種細胞からなる共パターンを迅速に構築することに成功しました。本分子を修飾した表面は、リポソームなどの細胞以外の脂質膜を持った機能性材料への適用も可能でした。さらに、目的細胞の基板への光固定化による単離などの応用も可能であり、幅広い分野において有用かつ強力な研究ツールとなることが期待されます。

 

 

 

 

<今後の抱負・感想>
日本でも最大規模の学会において私の研究発表が評価されたことは、大変光栄であり、今後の研究の励みになります。これからも刺激応答性材料の研究に精進してまいります。また、この場をお借りして、本研究をご指導いただきました長棟輝行教授・山口哲志講師、そして研究を支えて頂いた多くの方々に心より御礼申し上げます。